コラム

なぜあなたは「LINEを既読スルーする男」に惹かれてしまうのか?(1/2 ページ)

あなたの心理は“ハック”されています。

advertisement

 あなたは、LINEなどのメッセージを「既読スルーをしてくる男」に惹かれてしまったことはないでしょうか。

 彼氏でも、恋人候補でも、最近仲が深まった相手でも、もしかしたら一夜を過ごしてしまった男でも。友人から「既読スルーする男なんてやめときなよ」と止められても、どうしても彼に対する気持ちが抑えきれずに、何度も連絡をしてしまった経験はないですか?

 初めに言っておきます。既読スルーをしてくる男に惹かれるのは、あなたの男運がないからでも、あなたの男の趣味が悪いからでもありません。あなたの心理が“ハック”されているからです。

advertisement

「既読スルーをしてくる男」に惹かれるのはなぜ?

 さて、詳しくお話しする前に、私の経歴を述べさせてください。私は催眠術師のjapanfieldです。

 催眠術師、というと怪訝な顔をされることが多いので、詳しくお話しします。私が催眠に出会ったのは今から8年ほど前のことです。当時の自分は催眠を一切信じていませんでしたが、とある催眠術師の方に催眠をかけられ自身で体感して「本当に存在するんだ……」と驚いたのがきっかけです。

 以来、大学院で認知心理学の手法を用いて催眠を研究したり、エンターテインメントとしてのショー催眠を行ったりしてきました。研究の被験者を含めれば、少なく見積もっても、通算1000人以上に催眠をかけてきたように思います。現在も本業のかたわら、パーティーの余興で催眠を披露したり、催眠に関連するセミナーを行ったりしています。

 催眠にかかった人には、椅子から立てなくなったり、水を甘く感じたり、自分の名前を忘れたりといった変化が起きます。はたから見ていると、トリックや魔法のように感じるかもしれません。しかし催眠の背景には長年培われてきた経験則に基づく“理論”があり、その実態も、認知科学や脳科学の手法を用いて、徐々に解明されつつあります。

 そのような催眠の理論や、背景となっている心理学・認知科学の知識を学んでいく中で、日常生活の中にも応用できそうな知見が多くあることに気づいてきました。「既読スルー男」にまつわる悩みもそのひとつ。ここでは、そうした「身近にある」心理学の考え方を共有してみようと思います。

advertisement

あなたの心理をハックする「オペラント条件付け」

 思い返してみてください。「既読スルーを常にしてくる男性」――つまり、どんなときでも連絡を無視してくる相手には、あなたは惹かれないはずです。実際には、長い間既読スルーをされたり、かと思えば即座に返事が返ってきたりといった状態になっているのではないでしょうか。

 この既読スルー問題を説明するのに、ぴったりな認知科学の理論があります。それが「オペラント条件付け」です。

 オペラント条件付けとは、「自発的に行った行動に対して報酬を与えることによって、その行動が強化されること」をいいます。

 具体的に説明しましょう。ネズミを箱の中に入れます。箱の中にはレバーがあり、レバーを引くとエサがもらえる仕組みになっています。こうした環境があると、ネズミは自発的にレバーを引くように学習します。

 オペラント条件付けを提唱したのは、スキナーという心理学者です。彼は、オペラント条件付けにおける“行動の強化”を、最も強めるような報酬の与え方とはどのようなものか――という実験を行っています。

advertisement

 みなさんも考えてみてください。箱の中のネズミに以下のようにエサを与えたとき、最もネズミが執着したのはどのパターンでしょうか。


(1)一定回数行動を行えば必ず報酬がもらえる(n回レバーを引けばエサがもらえる)

(2)一定時間経てば必ず報酬がもらえる(n時間経てば必ずエサがもらえる)

(3)行動に応じて報酬がもらえるが、行動回数はランダム(5回レバーを引けばもらえるときもあれば、1回レバーを引いただけでもらえるときもある)

(4)経過時間に応じて報酬がもらえるが、時間はランダム(1分でエサをもらえるときもあれば、1時間経った時点でもらえるときもある)

advertisement
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  3. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  4. 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
  5. サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
  6. 夜の漁港に現れた“大量のイワシ”で釣りをしたら…… 「デカすぎるでしょこれ!」ヤバい魚の連続に「すげっ」「気持ちいい」
  7. 山で発見したサワガニ、「どうやって生きてきた!?」と目を疑う状態で…… 連れ帰った後の“驚きの行動”に「泣いた」「これは目が離せない」
  8. これは憧れる…… “1人暮らし歴5年”のこだわりがつまった“1K7畳”に「なんておしゃれ」の声 投稿者に聞くインテリアのポイント
  9. 1歳双子の姉が退院日、妹と再会する“瞬間”が「涙出ちゃった」と大反響 あれから約9カ月後……現在を聞いた
  10. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「オタクネットワークつよい」 投稿者に経緯を聞いた