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「運は積み重ねた努力には勝てない」 “運”が数値化された社会を描いた漫画が胸に響く(1/2 ページ)

運は積み重ねた努力には勝てないというセリフが熱い。

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 「運」がポイントとして数値化された社会を舞台にした漫画『ラッキーポイント』(短編集『セツナフリック(秋田書店刊)』収録作品)が、新鮮な発想と熱い展開で読者を引きつけています。作者は『ヒル』『古都こと』『クロエの流儀』などを手掛ける漫画家の今井大輔(@dice_k_imai)さん。

 物語の舞台は現代の世界と似ていますが、運が科学によって数値化されており、「運も実力のうち」が現実に。人々は毎週割り当てられられる運勢ポイントを携帯端末で管理し、運を使うと消費ポイントに応じて30分間運がよくなるという仕組みです。


運が数値として可視化され、自分で使いどころを決められる世界

 運がよく持ちポイントも多い主人公の坂下さんは、今週の残りポイントを不運にならない程度に企画会議に投じるつもりでいました。運は悪いが仕事ができる部下の高瀬くんから会議の資料を受け取り一安心と思いきや――ライバル社員が豪運にものを言わせたために、資料のデータがダメになってしまいます。諦めかけた坂下さんですが、高瀬くんの熱意に押されて彼の自宅にデータを取りに。

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 運は実力の一部だけど全てじゃない、積み重ねた努力には勝てないと語る高瀬くん。極度に運の悪い彼ですが、努力の積み重ねで有名大学を卒業し、部活でもレギュラーを勝ち取っていました。そんな彼が言います。自分が作った資料を会議に出せば勝てると。そして渋滞を抜けるため、坂下さんは自分の残った運勢ポイントを全部使いきるのでした――。


運が悪いからこそ「実力」と言える。努力の人、高瀬くんがかっこいい

 2人が会議に間に合ったのか、それは想像するしかありませんが、高瀬くんの「努力」の結果が勝利をもらたしたに違いないと思わずにはいられません。

 運をポイントとして使うという世界設定の面白さに引き込まれ、「運は積み重ねた努力には勝てない」という言葉にジーンと来て、最後には高瀬くんが少ない運を何に使ったのかを知って思わずニヤニヤ。

 読者からは「発想が面白い」「神作だった」「設定が好き」「積み重ねた努力は何よりも勝る、すごく胸に響いた」と称賛が寄せられています。

 「ラッキーポイント」は今井さんのSF短編集『セツナフリック』に収録されている作品。今井さんが同作をTwitterに投稿して人気を博したことから紙の単行本は一時在庫切れになっていますが、今井さんはTwitterで「もう少し待てば紙の本も在庫が確保されるはずですので、高騰した古本を買わなくても定価で手に入ります。もう少々お待ちください...!」と告知しています

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