「音楽以外の要素もロックの一部!」復活発表前にマキシマムザ亮君が語っていた、ホルモンを紐解くインタビューを解禁!(1/2 ページ)
コッテリ=生き様です!
約5年半ぶりの新作を、読み切り漫画1冊+CDの書籍として“発刊”し、バンドにフランチャイズ制を導入するなど、ユーモアとクリエイティブに満ちた企画が話題を集めるマキシマム ザ ホルモン(以下、ホルモン)。そんなホルモンの司令塔で、全ての作詞作曲を手掛けながら、最近では日清食品「カップヌードル コッテリーナイス」のプロモーションのクリエイティブ全てを担うアウトサイダー広告代理人に就任したマキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)にインタビューさせていただく機会がねとらぼに舞い込んできたので、たっぷりお話を聞いてきました!
ちなみに、普段取材をする際はマネージャーや会社の人などたくさんの大人も同席する場合がほとんどですが、「人がたくさんいる中でしゃべりたくない」という亮君の意向により、1対1のインタビューとなりました。
―― サシスタイルのインタビューは初ですが、本日はよろしくお願いします。亮君すごい痩せましたね。
マキシマムザ亮君(以下、亮君): そうですね、生活習慣病で医師にこのままだと死にますと言われたのがきっかけでダイエットしました。普通、痛風って足が痛くなるって聞くじゃないですか。でも僕の場合、キ○タマが突然痛くなって。病院でいろいろ検査した結果「あらゆる数値がおかしいから、多分合併症が起きてます」と言われて、そこから家族が病院に呼ばれて、奥さんと食事指導を受けました。
―― 完全にレッドカードじゃないですか……。
亮君: 実は、この事件が起きる5年前くらいから人間ドックの検査は常にやばかったんです。要検査の結果よりさらに悪い結果が出ていて。無視していたんですけど、それを機に週8で食べていたラーメンもやめて、ボクサーが減量するときぐらいの勢いでトレーニングを始めたら一気に体重が落ちちゃって、周りから「変な病気じゃないか」って言われまくりましたね。これは、「maximum the hormone II ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~」という曲のきっかけでもあるんですけど、痩せたことに対してパブリックイメージが壊れてファンから批判の声がたくさん出て。正直自分自身でも100キロあったあのころの方が珍獣クリーチャー感あるし、ホルモンぽいって思いますもん(笑)。
今はメンバーのダイスケはん(キャーキャーうるさい方)が頚椎椎間板ヘルニアと診断されてからライブ活動休止していますけど(取材は4月)、復活に向けて今は体脂肪を上げないように、体を筋肉で大きくして、新しい怪物感出したくて。「ダウンタウン」の松ちゃんを尊敬しているのであんな歳の取り方目指してます(笑)。
2018年11月に待望の新作「これからの麺カタコッテリの話をしよう」を“書籍”として発刊
―― 新曲も出ましたし、ライブ復活が楽しみです。
亮君: 「これからの麺カタコッテリの話をしよう」は作品としては「Deka Vs Deka~デカ対デカ~」以来約3年ぶりで、新曲としては「予襲復讐」以来約5年半ぶりです。
※インタビュー後日、ダイスケはんのリハビリ経過良好に伴い、待望のライブ再開/ツアー開催が発表されました。
―― 飢え死にしかけていた腹ペコ(ホルモンファンの総称)にとっては待望の新作ですね。2018年9月に新曲「拝啓VAP殿」のMVが公開された際には、これまでのヘドバン、デスボイスを封印した他、“惑星亮語”という謎の言語で歌われた歌詞が話題になりました。
亮君: 歌っているのはほとんどハチャメチャ語ですね。リリースに際して特別オープンした通販サイトでグッズを買うとおまけで付いてくるクリアファイルでも発音している歌詞を見ることができます。まあカラオケでもちゃんとその発音用の歌詞が表示されるので、見ながら歌えますよ。
発音一部抜粋
スペルマ熟れろホール弾シズ子 フュージョン連立豪雨 鮮ママビール瓶カルマセンスいいYOU! 浴び捨てるナンバー(3-5) ビアーガーデンスポーツ 不倫ね血怠慢俺ん家ファズ未論
レズ魔ロマン他愛人間の叔母 JASってかレファセール 11(イレブン)ジャスバリアーfabley you! ハイスピード連合の低空バイ油 勝利セロリLOVER SORRY 相場デイリーの往来
―― 意味不明だった……。MVの最後ではレーベルをVAPからワーナーミュージック・ジャパン(以下、ワーナー)に移籍したことを発表してますが、なぜこのタイミングの移籍だったんでしょう?
亮君: VAPでずっとお世話になっていた人が、ワーナーに転職したからです。これをきっかけにVAPにいたラウド系のバンドはワーナーに移籍して、最後に残ったのが僕らだったんですけど、結局その人と一緒に仕事したいという理由で移籍しました。あとは、ワーナーのロゴマークがメジャー感あって個人的に好きなんで、パッケージにあのロゴ入れたかったから移籍したという説もあります(笑)。
―― MVでもこのマークがデカデカと出ていましたね。ワーナーに移籍後初の新作は書籍ですよね。かなり規格外な形態ですが、なぜこのような形に?
亮君: 僕が脚本を務めて『コロコロアニキ』で連載していた漫画『マキシマムザ亮君の必殺!!アウトサイダー広告代理人』を単行本として出すとなったとき、ガチ勢ファンしか買わないアイテムになるのは嫌だったんです。「ホルモンの楽曲同様に魂込めて作った漫画だし、絶対ホルモンの作品の中に合体したろ!」って初めから企んでました。あと過去にCDやDVDのランキングでホルモンの作品がランキング1位になったことがあって、じゃあお次はロックバンド初の書籍ランキング1位獲ったる! て気持ちもありましたね(笑)。
―― 音楽というフィールドを超えて書店にまで……。本+CDというだけあって、パッケージがめちゃくちゃ豪華ですね。デザインは亮君が?
亮君: 僕ですね。帯の言葉やキャッチコピーなど広告代理店の人がやるようなことが昔からすごい好きで、パッケージは音楽の中身同様ずっとこだわってます。学生のころ、集めたCDの帯を袋に入れてコレクションしたり、架空のバンドのCDジャケットをデザインしたり、物質としてCDのジャケが大好きなんですよね。
でも最近のCDショップって、万引き防止で現品を陳列してくれないところが多いんです。「予襲復讐」というアルバムを出したときも、「何だこれ? ホルモンのアルバムか!」と思ってもらいたくてパッケージをこだわって作ったのに、商品がカラーコピーされたものが変な透明パネルに入れられて、レジに持っていけば現品と交換みたいなシステムになっていて……。
もうただでさえCDショップにくるお客さんが減っていて、ジャケ買いしてもらえない現状があるのに、こだわったパッケージは現物を陳列してくれないという悲しい状況になっていて、さらに今はSpotifyとかApple Musicとかのサブスクリプション(以下、サブスク)が主流になってますし、もはやCDなんてなくてもいいのかなと思うこともあります。でも僕は形あるCDというものにもこだわりたく、現在、ジャケ買いのカルチャーが唯一残っている本屋さんで、本としてCDを出すという一手を思い付きました。漫画として売ってますが、やはりメインは音楽のCDなので、パッケージからディスクが見えるような、それでいて本なのか雑貨なのかわからない商品になるようにデザインや仕様は試行錯誤しました。
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