ヤフーとプラス、アスクル・岩田社長再任に反対する議決権を行使 プラスは「岩田社長の保身」と強く批判
2社の議決権で過半数を占めます。
ヤフーが子会社アスクルの社長退任を求めて争いになっている問題で、ヤフーと文具メーカーのプラスは7月24日、8月2日予定の定時株主総会で提案されるアスクルの岩田彰一郎社長の再任に反対する議決権を行使したと発表しました。2社の議決権は合計56%と、過半数を占めることになります。
ヤフーは議決権行使について、「低迷する業績の早期回復、経営体制の若返り、アスクルの中長期的な企業価値向上、株主共同利益の最大化の観点から、抜本的な変革が必要」だと説明しています。アスクルの母体であるプラスも「業績低迷の責任など」を挙げています。
また両社は、独立社外取締役の3人についても再任に反対する議決権を行使したと明らかにしました。ヤフーは「業績低迷の理由である岩田社長を任命した責任など総合的な判断」、プラスは「LOHACO事業の成長の観点で最も重要なパートナーであるヤフーとの業務・資本提携関係の見直しという意見を出し、アスクルの企業価値を著しく損ねる可能性があった」と説明しています。
プラスはまた、アスクルの社外取締役も務めている今泉公二社長について、アスクルの岩田社長が一部マスメディアに対し「ヤフーに利用された可能性は大いにあり得る」などと「憶測に基づく話」をしているとして、「大変残念に思っております」と表明しました。
アスクルがヤフーとの資本・業務提携の解消を申し入れたことについて、アスクルがLOHACOについてヤフーとの相乗効果を強調していることと相反していると指摘し、「アスクルの業績の維持向上のためではなく、岩田社長による現体制維持と保身のための行動にほかならないと捉えております」と強く批判。是正できなかった独立社外取締役に対しても、株主として遺憾だと表明しています。
騒動では、アスクルの経営不振や赤字が続く個人向け通販サイト「LOHACO」の方針などを巡り、アスクルの親会社で議決権の約45%を持つヤフーと約11%を保有するプラスが岩田社長の再任に反対する一方、アスクルはヤフーとの資本・業務提携を申し入れて対立しています。アスクルの独立役員会はヤフーについて「ガバナンス(企業統治)無視」だと批判していました。
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