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ねとらぼ編集部員の怪談「不自然なホテル」(2/2 ページ)

ねとらぼ編集部員が出張先で出会った恐怖体験についてインタビューしました。

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――ああ……。

 で、よく見てください、われわれはここに泊まってたんですよ。(図を出す)

ホテルの図面(立面図/一部を変更して書き起こしています)

――外、何もないじゃないですか。

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 そう。全くないの。

――……。

 で、「あらあ」と思いました。でも同行者は私を怖がらせないようにしようと思って「ああ、そうなんですか」って普通にしゃべってるの。上に誰もいませんよって言われてぞっとしたらしいけど。そしたら、向こうの人が「今すぐ行くので、荷物を今すぐまとめてください」って言ったの。

そしたら旅館の人が結構慌てた感じで、もう1分2分で来たの。「荷物まとめられましたか?」って。

――早い。

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 そう、めちゃくちゃ早いの。(4時)1分は盛ったかな、電話してたから(4時)4分かな。で、旅館の人が来たの。迎えに。で事情聴かれて話しました。そしたら「今すぐ部屋を移るので」って言われて。

 われわれはね、てっきりこの中(旧館の同じフロア)のどこかに移ると思ってたんですよ。もしくはこの旧館(の別のフロア)のどこかに。そしたら、そうではなくて、わざわざ新館に連れていかれたんですよ。で「とりあえずそこで寝てくれ」と言うので、荷物を持っていくのが大変じゃん、朝4時だよ。で私に関しては寝てないし。だから「もう近くでいいんですけど」って言ったら、「今日は(旧館は)満室なんです」って言われたのよ。

――え、でも、隣はいなかったのでは。

 そう。「そうなんですか?」って言って。「ええ? はいはい……」って言って、とりあえずもう眠たいし、新館に行って寝ました。就寝。こちらの部屋では特に何もありませんでした。

 で、こっからですよ。私と一緒に泊まってた人は気がけっこう強いので、「おかしいじゃないか」と。朝ちょっと旅館の人に鎌をかけて話を聞いてみようよということになりまして。

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――強いですね……。一緒に行った方は見えないんですか。

 ……見えます。

――……じゃあうすうすわかってはいた?

 うすうすというよりか、私がおかしいと言った段階で、部屋の様子が来た時と違う、と思っていたらしい。

 それでチェックアウトするときに、仲居さんに鍵を返すじゃないですか。で、パッと見たら、旧館、私たちが最初に泊まってたホテルの鍵、ないの、2つだけだったんですよ。てことは私たち以外に2部屋しか泊まってないんですよ。旧館には。でも昨日聞いたのは「満室です」ってことだったから、おかしいなあと思って。

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 とりあえず同行者が車を取りに行ってる間に「いや昨日異音がすごくて」「やっぱ古いからですかね、設備とか」って聞いたら「いやあ……」みたいな。最初とぼけてたんですよ。そんで「上すごい走る音とかして……」って言ったら「子どもですよね」って向こうから言ってきて。

 「子どもの、アレですか? 走る感じの音ですか?」って言われて。「はい」って答えたら「お客さまの部屋では初めてなんですけどね、そういうことは」って言われて。「え? お客さまの部屋『では』?」って思ったよ。でもつっこんだらもうやばそうな感じだった。

 で、窓が鳴った話なんかを言ったんだけど、旅館側の説明としては「反響じゃないか」と。「違う階の音が上に響いたんじゃないか」みたいなことを言うんだけど、明らかにおかしくて話のつじつまが合わないわけ。下の階に泊まってる子どもも、確かめたら1人なの。私が聞いた足音は3人なの。

 とりあえずチェックアウトして、ご飯食べながら「なんかあそこ気持ち悪かったよね」って話をしていて、「名前検索してみたら?」ってことになって。××ホテルってとこだから検索に入れてみたら、すぐ「×× 幽霊」ってサジェストされてきたの。

Tさん提供のサジェスト画面

――ええ……。

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 おやおや……っていう話。

――それ詳しく聞かなかったんですか、仲居さんには。

 「もう聞かないでくれ」っていう感じだったよね。

 しかもね、これはたぶん関係ないんだけど、11時から12時に火事になって出られなくなる夢を見ていて。

 ぱっと目が覚めて目に入ったのは「防煙袋」っていう袋で……そんなのなかなか見たことないでしょう? この袋で新鮮な空気を閉じ込めておいて、かぶって逃げてくださいっていう袋だったんですよ。で懐中電灯と防煙袋がぱって起きたときに目に入って、「え? なんなんだろう」と思って。(音が鳴り始めたのは)そっからなんだけどね。

――過去に火事があったんでしょうか。

 わかんない。でもやたら火災に対応するもの……消火器が多かったり、すごく火事に気を付けてるホテルなんだなって、帰るときに思った。もしくは私が全然意識していないところで防煙袋とかを見ていたから、そういう夢を見たのかもしれないけどね。

 そう、あのね。おかしいんですよ。ホテル、こういうふうに(左から右へ上がっていく階段状に)建ってるんですね。私が泊ったのってこっち(旧館Bの最上階)なんですよ。で、ここ(新館の屋上)に露天風呂があるんですよ。で、ここ女性専用なんですよね。

露天風呂の位置が不可解すぎる

 われわれが露天風呂に入ったときに言っていたのは、「上の部屋(旧館Cの15階)から見えるなあ」って。パッと見てたんだけど、ここ(旧館Cの15階)、明らかに人がいたんですよ。電気もついてたし。でも朝見たら、人が泊まってたのは全部旧館Bの部屋だったんですよ。旧館Cは泊まってないんですよ。

 だから「え? じゃあ昨日見たあれは何だったの?」って話になって。もちろんホテルの人がお掃除してたとか、そういうことかもしれないんだけど、何か……全体的に不自然なホテルでしたね。

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