インタビュー

学校の先生が“規制逃れ”に手を尽くす「闇部活」の実態 現役中学教員に聞く「ブラック職場としての学校」(1/3 ページ)

部活の活動時間規制と“どうしても部活がしたい教員たち”のイタチごっこ。

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 子どもの成長を支える場でありながら、ブラック労働環境が問題視されている学校現場。ニュースなどでも盛んに取り上げられているテーマではありますが、実際に働いている教員は、どのような思いを抱いているのでしょうか。

 本記事は、公立校の中学教員であるAさん(仮名)に「1人の一般教員として感じている“学校の労働環境の問題点”」を語ってもらう連載企画となります。

部活動を長時間するために“規制逃れ”をする教員たち

―― 「部活動の活動時間を制限することが教員の働き方改革につながる」という考え方には否定的だったよね。どうして?

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 この問題については、いろいろと思うところがあって。今回は、俺の知ってる範囲で運動部の“規制逃れ”の実態について話そうか。

 2018年、スポーツ庁が「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を作った。それなりに長いんだけど、今回ポイントになるのは「平日の部活は2時間、3時間程度にしよう」「1週間のうち2日間は休養日にして、土日のどちらかは休みにしよう」という内容。

 要は、活動時間に関する規制が含まれてるわけ。俺が働いてる自治体でも、これをおおむね踏襲したガイドラインが作られたんだけど、部活が大好きな教員たちから反発があった。活動時間を減らすなんて嫌だ、というわけだ。

 ガイドラインは法律じゃないから、守らなくても問題ないと言えば問題ないんだけど、各教育委員会が「いやいや、ここは守りましょうよ」とストップを掛けた。その結果、学校では「ガイドラインに抵触しないように、長時間部活をやろう」という動きが起こった。

―― そこまでして部活をやりたいのか……

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 うちの自治体のガイドラインはスポーツ庁よりも一部緩くなっていて、「大会2週間前は活動時間を延長していい」ことになってる。だから、新しい大会を作る教員たちが現れた。大会といっても、近隣の学校で集まって試合して表彰状を出すくらいの小規模なものなんだけど。

―― それがアリなら極端な話、2週間おきに大会(という名の他校との練習試合)をするだけで“規制逃れ”できるのでは?

 そういうことになっちゃうよね。だから、ガイドラインには「活動時間規制が免除されるのはこの大会、この大会……」と明記されることになり、この抜け道はふさがれた。

 でも、こういうのって結局のところ、イタチごっこになっちゃうんだよね。

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