レビュー

終わって淋しい「凪のお暇」 号泣しなかった慎二と涙を見せたゴン、どっちも選ばなかった凪が大正解最終回(2/2 ページ)

凪と慎二の関係は一貫して慎二の片想いだった。

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空気を読まず、自分がしたいことをする生き方

 自宅の台所で豆苗を炒める慎二。お暇の間も大事にしていた豆苗を全部食べようとしている。“沁みるメシ”を欲し続けていた慎二が、人から与えてもらうのではなく自分で作っている。「自分の運転で出かける」を目指す凪みたい。一番辛そうだった慎二の変化と、モラハラからの卒業。凪の空気に触れることで、慎二とゴンは成長した。その証拠に、慎二は号泣していないし、ゴンはちゃんと泣いている。

 「凪のお暇」は終わりを告げた。でも、それぞれの人生は続いていく。慎二の好きなストレートヘアをアップにして吹っ切った市川円(唐田えりか)。陰口を叩かれる気持ちを知った足立。妹と向き合うことにした緑。家を買い、自立後のうらら(白鳥玉季)の将来を見据えるみすず。坂本龍子(市川実日子)は、きっと初めて恋の苦しみを知ることになるだろう。リスタートを切ったのは凪だけではない

 緑が妹から掛けられた「幸せだった? ……どっちでも同じね。どうせ、最後は1人なんだもの」の言葉。最後はみんな1人だし、どうせ同じ。ならば、自分がしたいことをして後悔なく生きたほうがいい。空気を読まずに

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 かつて、凪は結婚で幸せになろうとしていた。そして、そんな自分が嫌で、お暇することにした。凪のウィッシュリストに恋愛に関することは書かれていなかった。やりたいことがいっぱいで、今はそれどころじゃないのかもしれない。「自分で泳げるようになりたい」と望む凪。慎二やゴンではなく、自分を選ぶ以外のハッピーエンドはありえなかったと思う。

 言いたいことを対等に言い合える凪との会話が、慎二は本当に楽しそうだった。空気を読むと人との調和は図れるが、それは人との間に壁を作ることにもなる。空気は読むものではなく、吸って吐くものだ。

寺西ジャジューカ

ライター

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