レビュー

「まだ結婚できない男」阿部寛が婚活アプリで女性と出会う? 「メンズノンノ」時代を思わせるヤバいファッション、細かい桑野ネタにニヤニヤ(1/2 ページ)

いきなり警察に逮捕される桑野(阿部寛)。

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 2006年に放送された阿部寛主演のドラマ「結婚できない男」が13年振りに復活。「まだ結婚できない男」(フジテレビ系・火曜21時~)第2話。結婚に興味なさそうな顔をしている桑野信介(阿部寛)が、婚活アプリで女性と出会う!?

あの「結婚できない男」が婚活アプリを使う時代 イラスト/北村ヂン

桑野さんがだいぶ丸くなった!?

 建築事務所の共同経営者・村上英治(塚本高史)たちは、婚活アプリがどんなものか興味があるということで、勝手に桑野のプロフィールを登録してしまう。桑野は「バカバカしい。暇人の遊びだよ」と苦言を呈しつつも、婚活アプリ自体には気になっている様子。

 アプリを削除しようとしていたものの、23人もの女性たちからメッセージが届いたことから、その中のひとりとやり取りをはじめる。

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 本作は偏屈で皮肉屋な建築家・桑野の奇行を観察するドラマなわけだが、前作から13年を経て、桑野の変人っぷりもだいぶ変化しているようだ。ひとりごとをブツブツつぶやいたりと、変態的な気持ち悪さは倍増しているものの、偏屈な性格はだいぶ丸くなっている印象。なにより、長い独身生活でさびしさが募っているのか、興味がない顔をしつつも、結婚を意識しているような行動が増えている。

 自宅で住宅模型を作り、家族&ペットのフィギュアを並べて理想の家庭を妄想したり(この行動は完全に変人だが)。アラフィフなのに独身の弁護士・吉山まどか(吉田羊)の語る、ボンヤリとした結婚観を前のめりになって聞いてみたり。

 そもそも以前だったら、勝手に婚活アプリに登録されたと知った時点でもっと激怒していたことだろう。

 前作ではiMacなど、Apple製品を愛用していた桑野が、今作で使用しているパソコンがDellになってるのも気になった。あらゆるものにこだわる桑野だけに、そのこだわりは貫いて欲しかったところだが……。ジョブズなきAppleの製品は使用するに値しないという、メッセージが込められているのだろうか!? ……単なるスポンサー関係の大人の事情なんだろうけど。

メンノン時代の自分のファッションを再現!

 婚活アプリで23通のメッセージを受け取った桑野。現実世界では、その変人っぷりから煙たがられているが、顔面&体型が阿部寛。しかも高収入とくれば、年齢はともかくとして、かなりのハイスペック物件なのは間違いない。

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 大量のメッセージの中から「一人に疲れました……」という、ヨガのインストラクターをやっている女性に目をつけ、メッセージのやり取りを経て、会いに行くことになる。やはり「一人に疲れました……」というメッセージが、桑野の今の気持ちとリンクしてしまったのだろうか?

 この初デートに向かう桑野のファッションがヤバかった。「メンズノンノ」モデル時代の阿部寛を思わせる、カーディガンに赤いポロシャツというセルフパロディ・ファッション。同じ人間が着ているはずなのに、なんでこんなに変なのか。

 そもそも、いかつい顔のおじさんが、かつて爽やかさが売りのメンノンモデルだったということを知らない世代も多そうだが。

 待ち合わせ場所であるホテルのラウンジで、アパホテルの社長感のあるおばさんが近づいてくると、目印の本を隠したり、美女がやって来たらチラチラ見せつけたりと、童貞高校生のような落ち着かない桑野の行動がかわいらしい。

 しかし、待ち合わせの目印に使う本が、ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』とは。アウシュヴィッツの強制収容所での体験を描いた本を目印にして、素敵な出会いが待っているとは思えない。こんな細かい桑野ネタの数々にニヤニヤされられたものの、その後の展開が雑だった。

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 婚活アプリを利用した詐欺師と勘違いされて、いきなり逮捕された桑野。証拠もなく、容疑者と人相が似ているからという一点突破で逮捕してしまう警察って……。身柄を引き受けに行った弁護士・まどかとの距離を縮めるためのエピソードだったのだろうが、いくらなんでも展開が雑すぎないだろうか。

「メンズノンノ」モデル時代の阿部寛をセルフパロディか イラスト/北村ヂン
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