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阿部寛「まだ結婚できない男」53歳になった桑野は相変わらず面倒くさかった1話 今後の人生を一緒に送る相手は吉田羊?(1/2 ページ)

毒舌は減ったが、気持ち悪い行動は増えた。

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 阿部寛顔なのに超面倒くさくて気持ち悪い男・桑野信介が戻ってきた! 2006年に放送された阿部寛主演のドラマ「結婚できない男」が13年振りに復活。「まだ結婚できない男」(フジテレビ系・火曜21時〜)第1話。


まだ結婚できない男 「結婚できない男」13年振りに復活 イラスト/北村ヂン

 偏屈で皮肉屋な建築家・桑野が、「結婚するのが当たり前」という風潮に反発しつつ、周囲の女性たちとの交流を通じて恋愛への一歩を踏み出した……ものの、結局結婚はできなかった前作。

 あれから13年が経ち、世間一般のライフスタイルもだいぶ変化し、結婚するもしないもその人の考え方次第という時代になっている。「まだ結婚“できない”」というタイトルには若干、違和感を覚えるところだ。その上、冒頭から黒画面にテロップで生涯未婚率がドドーンと表示され「これはいまや、社会全体を挙げて取り組むべき問題なのだ」とのナレーション。

 前作は桑野さんの面倒くささ、気持ち悪さを楽しみながら恋の行方を見守るドタバタラブコメだったが、今回はまさかの社会派に!? ……と思いきや、いつも通りのノリで安心した。

桑野さん、今回のお相手は!?

 設計センスは認められているものの、独善的なこだわりの強さから、ビジネス面で成功しているとは言いにくかった桑野も世間から認められ、落選はしたものの、新国立競技場のコンペに応募するくらいのポジションに。前作では、有名建築家・金田裕之(高知東生)のサイトを毎日ストーカーのようにチェックするのが日課となっていたが、本作では逆に桑野がストーキングされる側に。「やっくん」なる謎の人物のブログで盛大に誹謗中傷を受けているのだ。

 この誹謗中傷を止めさせるため、弁護士事務所へ相談に行ったところ、弁護士の吉山まどか(吉田羊)と出会う。例のごとく自分を棚に上げて、アラフィフなのに未婚のまどか相手に失礼な発言を連発。

 「そういうことをつい不用意に口に出す方なんですね。普通は思っても言わないものですけど」

 と、桑野自身の態度が敵を作っているとたしなめられる。さらに、まどかの弁護士としての腕を確かめるため、わざわざ裁判を傍聴。このあたりの性格の悪さも相変わらずだ。裁判は、カフェの雇われ店長・岡野有希恵(稲森いずみ)と夫の離婚するしないを争うもの。

 このふたりの女性に加え、初回はチョロッとしか登場していなかったが、桑野のマンションの隣室に引っ越して来た謎の女性・戸波早紀(深川麻衣)が、桑野と恋愛したりしなかったりするのだろう。


まだ結婚できない男 桑野を巡る人物(特に女性たち)をしっかり把握 イラスト/北村ヂン

「人生100年時代」を見据えた家を作りたい

 本作の見どころはやはり、アクの強すぎる桑野のキャラ。前作の放送時と違い、「まだ結婚しないの?」と聞くだけでセクハラになり得る時代。さすがにその手の毒舌に関しては、だいぶマイルドになっていたが、その分、挙動不審度&気持ち悪さが倍増していた。

 自分が興味あることにはやたら饒舌になってまくし立て、興味ないことは無視。人の会話の途中で「グフフッ」と鼻で笑ったり、裁判傍聴中に「ブフォッ」と吹き出したり……。顔が阿部寛で、声が低音ボイスだからごまかされているが、行動だけ見ると、ちょっと前のドラマで頻繁に登場したステレオタイプなキモオタの行動そのものだ。

 自身の結婚に対する考え方も「余計なリスクは抱えない主義なんで」と相変わらずな様子。ただ、仕事への態度はだいぶ「大人」になっているように感じた。以前はアイランドキッチンを中心とした家づくりにこだわり、それに反対するクライアントの仕事は断っていたが、現在はだいぶ柔軟に。

 「人生100年時代」ということで、長い人生の間で結婚してもしなくても、配偶者と離婚や死別したとしても快適に暮らせるような、セカンドステージを見据えた家を作りたいと語る。

 「結婚してもしなくても、セカンドステージが幸せかどうかには関係ないんです。そこに人生の本質はありません。人が家に合わせるなんてナンセンスだ!

 とことん空気の読めなかった桑野だが、いいことも言うようになったもんだ。


まだ結婚できない男 桑野にパグは欠かせないでしょう、飼っちゃえ! イラスト/北村ヂン

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