たぶん世界初の“1200キロをロードバイク・90時間で駆ける腐女子”だと思います 『弱ペダ』で変わったあるオタクの人生(2/3 ページ)
「パリ・ブレスト・パリ(走行距離約1200キロ)」を完走した腐女子・PEKOさんにインタビューしました。
自転車業界まで変えてしまった『弱ペダ』の影響力
―― PEKOさんと『弱ペダ』の出会いは?
最初は友人の影響です。二次創作を通じてできた友人が『弱ペダ』にハマって、カッコいいロードバイクまで買っていたんです。度肝を抜かれて、なんか悔しさもありました。
―― 悔しさですか?
友人の二次創作のジャンルが変わってしまった寂しさから、「何が『弱ペダ』だ」と思ってしまうところがあったんです。でも、布教されたので読んでみたら……気付いたときには全巻買ってましたよね。翌年には『弱ペダ』の同人誌を1年間で10冊出してました。
ロードバイクの購入も、その友人からの勧めです。最初は「いやいや買わないでしょ」と答えていたんですが……『弱ペダ』を読んでいるうちに、街中にある自転車のメーカーが分かるように。それで「良いものがあれば」という気持ちになり、お店に行ってみたらステキなデザインのロードバイクがありました。成約済みで買えなかったんですが、逆に「絶対手に入れる!」と燃えてしまって……。
―― 手に入らないと燃えてしまうオタクのサガ……!
後日、別の自転車店で発見して、即買いしました。
そこから次第に各地のグルメを求めて走るようになり、ブルベなどに参加するようになり、海外まで走りに行くようになり……そんなこんなでPBPにも参加するに至ったという感じです。
―― PEKOさんのようにロードバイクを購入したり、レースに出たりするレベルの『弱ペダ』ファンは多いのですか?
全体的に考えたら趣味として続かない人が多いと思いますが、『弱ペダ』きっかけでロードバイクを始めて、レースで入賞、優勝したという人は私の知る範囲でも数十人。結婚に至った人も、これまた把握しているだけで数十組以上います。
―― マンガから人生変わっちゃった人、けっこういるんですね
自転車業界への影響もすごかったみたいですよ。アニメ化して盛り上がっていたときにはロードバイクが何千台も売れたみたいで。
女性でも乗りやすいスモールサイズのロードバイクが登場したのも、ちょうどこの時期だったと聞いています。もともと「男性がやるスポーツ」というイメージが強くて、大きいフレームサイズのものばかりだったんです。
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