「まだ結婚できない男」前作同様“恋愛モード”に急展開した最終回をレビュー　 桑野さん（阿部寛）なりの告白「アナタがいないとつまらないし、寂しくなるので」（2/2 ページ）

前作のパロディに見えてしまったラスト

　前作の最終回では、急に素直になった桑野が、早坂夏美（夏川結衣）に「僕はあなたが好きなんじゃないかな」と告白しつつも、「自分の大事な人と暮らす家がイメージできない」のを理由に「結婚できないんですけどね」とあっけらかんと言い放って、夏美からブチ切れられていた。

　それでもラストシーンでは「イメージできない」と言っていた「大事な人と暮らす家」らしき模型が完成しており、何だかんだ結ばれたとにおわせていた（結局、別れたけど）。

　一方、今作のラストシーンは、なんとバナナ！　桑野の部屋のリビングテーブルの上に大小、二房のバナナが置かれていた。

　まどかから「バナナが好き」と聞いて以降、会いに行くたびに毎回バナナを買ってきていた桑野だったが、まさかバナナにここまで意味を持たせてくるとは。まどかが部屋に来たのか、一緒に暮らしはじめたのか……？

　どっちにしても「最後の最後がバナナかよ！」とずっこけた。前作のオマージュなんだろうけど、元の完成度が高かっただけに単なるパロディっぽくなってしまっていた感も。

　そして、前作で「好きなんじゃないかな」と告白し、家に誘っていたのと比べると、今作は地元に帰るのを引き留めて、映画に一緒に行っただけで終了。……桑野さんの恋愛スキル。若干、退化してない？

　それもこれも、「まだまだ結婚できない男」への布石なのかもしれないけど。続編がまた13年後だとしたら、桑野さんも66歳……！