「こんな記念硬貨は存在しない」「異世界の硬貨っぽい」 10年前に発見された「謎の記念コイン」にTwitter民騒然、財務省・造幣局を取材して成分分析してみた(2/3 ページ)
研究機関で成分分析も行ってみました。
持ち主によると、コインを入手したのは1980年代前半で、家族旅行の際に通りがかったむつ市にあった食堂(ドライブインの可能性がある)で展示されていたコインを見つけたと言い、その後店主から「売り物ではない」旨を告げられたものの、「どうしても譲ってほしい」と交渉したところ、1000円で譲ってもらえたとのこと。なお、家族の中に基地の関係者はおらず、詳細は不明とのことでした。
この情報からねとらぼ編集部ではむつ市周辺に現存する食堂に片っ端から連絡を取りましたが、「(コインを)見かけたことはない」「コインを作ったという話は聞いたことがない」との返答がほとんどでした。また持ち主の記憶にある「ドライブイン」というキーワードを元に取材を進めたところ、50年ほど前からドライブインを経営していたものの現在は閉業し、食堂として営業を続けている店を発見しました。
店主は取材に対し「(売り物ではないコインを譲ったことは)あったかもしれないけれども何分ずいぶんと昔のことなので……。そういうことはあったような気がしますが、はっきりしない」と答えました。再び謎に包まれたコインですが、新たな持ち主の登場により、コインがむつ市周辺でも流通していたことがうかがえました。
またこのほかにも、国・青森県・経団連と共に「むつ小川原国家石油備蓄基地」関連の事業に携わっている「新むつ小川原」社にも話を聞いてみましたが、「心当たりのある社員はいなかった」とのこと。調べても調べてもその出所が分からない謎コインですが、せめて一体どんな成分でできているのかを調べられないか。コインの持ち主、ハリジャンぴらのさんに許可を頂き、都内の専門家立会いの下、コインの成分分析を行うこととしました。
今回行った検査は「蛍光エックス線分析(エネルギー分散型)」と呼ばれるもので、いわゆる非破壊検査。コインの表面にX線を照射して、成分内容を調べます。
エックス線を照射するのは、金色に輝いている部分と地金が見えている銀色の部分の合計2カ所で、日立ハイテクサイエンス製の機械にコインをセットするとPC画面上に含有物質のグラフが表示されます。まず地金の部分に照射するとわずか数秒でPC画面上に銅、亜鉛、ニッケル、そして金といった成分が表示されました。
また金色に輝いている部分についても成分的には同じ銅、亜鉛、ニッケル、そして金が検出されましたが、各成分の含有比率が多少異なることから、真鍮製のコインにニッケルが下地の金メッキ加工を施したものであることが分かりました。また分析を担当した専門家はこの結果について「コイン自体のデザインに荒い部分はあるが、加工手順としてはきちんと作ってあると言える」と評価しました。
成分分析の結果:めっき剥離(はくり)部
成分分析の結果:めっき部
成分分析の結果:めっき部-めっき剥離(はくり)部スペクトル比較
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