新型コロナウイルス関連の肺炎患者、日本国内で初確認 中国・武漢市から1月6日に帰国した神奈川県内の男性
患者本人は症状が軽快して1月15日に退院しているとのこと。
中国・湖北省武漢市で原因不明の肺炎を発症する人が相次いでいる中、武漢市への渡航歴がある神奈川県内在住の30代男性が、国立感染症研究所での検査にて「新型コロナウイルス」陽性と判明していたことが、厚生労働省の発表で分かりました。日本国内での新型コロナウイルス関連の肺炎患者は初確認。
2019年12月12日から中国・湖北省武漢市で確認されている原因不明の肺炎患者の発生。今回日本国内で確認された新型コロナウイルス関連の肺炎患者も、武漢市への滞在歴があり、1月6日に帰国後、同日に武漢市への滞在歴があるとの申告を行ったうえで医療機関を受診し、1月10日から入院していたと言います。
その後、原因が明らかでない肺炎等の患者に係る国立感染症研究所での検査制度(疑似症サーベイランス)に基づいて報告があり、患者の検体を国立感染症研究所で検査したところ、1月15日20時45分ごろに新型コロナウイルス陽性との結果が得られたとのこと。
また患者本人は症状が軽快して1月15日に退院しているといい、本人からは「武漢市の海鮮市場(華南海鮮城)には立ち寄っていない」といった話が聞かれているそうですが、厚労省の発表では「中国において、詳細不明の肺炎患者と濃厚接触の可能性がある」とされています。
これを受けて厚労省は「国民の皆様へのメッセージ」を次の通り発表しました。
国民の皆様へのメッセージ
新型コロナウイルス関連肺炎に関するWHOや国立感染症研究所のリスク評価によると、現時点では本疾患は、家族間などの限定的なヒトからヒトへの感染の可能性が否定できない事例が報告されているものの、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はありません。風邪やインフルエンザが多い時期であることを踏まえて、咳エチケットや手洗い等、通常の感染対策を行うことが重要です。
武漢市から帰国・入国される方におかれましては、咳や発熱等の症状がある場合には、マスクを着用するなどし、速やかに医療機関を受診していただきますよう、御協力をお願いします。なお、受診に当たっては、武漢市の滞在歴があることを申告してください。
参考:コロナウイルスとは(厚労省サイトより引用)
人や動物の間で広く感染症を引き起こすウイルスです。人に感染症を引き起こすものはこれまで6種類が知られていますが、深刻な呼吸器疾患を引き起こすことがあるSARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)とMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)以外は、感染しても通常の風邪などの重度でない症状にとどまります。
(Kikka)
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