首のリンパ節が腫れて40度前後の高熱が続く「菊池病」(または「壊死性リンパ節炎」「組織球性壊死性リンパ節炎」)を経験したTwitterユーザーのさんじろ(@ziroro326)さんが、症状や経験を漫画にした「『菊池病』にかかった日記まんが」が反響を呼んでいます。聞き慣れない病名ですが、発症したときの苦しさが漫画を通して伝わってきます。
さんじろさんは5月後半、首にしこりがあるのを発見しました。そのときは病院などに行かず放置したのですが、数日後、熱が出たので地元の病院に。風邪と診断されて抗生物質を処方されましたが、1週間以上も発熱は続き、ついには40度の状態にも……。しかも追い打ちをかけるように腎盂炎(じんうえん)も併発してしまいました。数日間の点滴治療の末、腎盂炎は治りましたが、高熱は一向に治まりません。
耳鼻咽喉科へ行くと「おそらく『菊池病』ですね」との診断。1カ月は熱が続き、人によっては2〜3カ月長引くとのこと。「放置しても治る良性の病気なので、とにかくしっかり食事とって頑張って下さい」と医師から説明されます。治療法もなく、食事ができるなら点滴の必要もないということで、さんじろさんは自宅療養となりました。
「菊池病」の治療は対症療法しかありません。さんじろさんは解熱剤を処方されたのですが、解熱剤は効かないまますさまじい寒気に襲われます。頭は発熱して煮込まれているような状態なのに、布団の中の体は極寒に凍えている状態。呼吸も苦しくて咳と吐き気にも襲われるような日々が1カ月続いたといいます。
7月には熱が下がり首の腫れもなくなったので、仕事に復帰して遊びに行ったりもしたさんじろさん。しかし、菊池病との戦いは終わっていなかったのです……。
その後さんじろさんはまた首にしこりを見つけます。しかし、仕事を1カ月休んだこと、職場に完全に治ったと言ったことから、病院には行きませんでした。数日後また発熱しましたが、なぜか翌日には平熱に。それ以降、日中は平熱、夜は発熱を繰り返す状態が続きました。食べても病気がエネルギーを持っていくので、体重は10キロも減少して、体調不良も続きます。
あらためて病院に行って「菊池病は完治に半年かかる場合もある」と聞かされたさんじろさん。秋になり、体験漫画を描いているときもまだ首にしこりがある状態ですが、ゆっくりと治ってきているそうです。予防法はなく、治療法も対症療法しかないという菊池病。さんじろさんは個人的な感想として「とにかく食事で体力つけてたくさん寝るのが良いと思った」と述べています。
聞き慣れない病名ですが、さんじろさんはTwitterなどで、実際に菊池病でつらい思いをしたことのある人を多く見つけたといいます。この体験漫画を公開したのは、情報がまだまだ少なくてとても不安だった中、詳しい症状を記録したブログなどを見つけて安心できたことがきっかけだったとしています。
漫画には病気のことを初めて知ったというリプライの他に、菊池病にかかったことのある人からも体験談が寄せられています。さんじろさんも追記しているように、人によって期間も症状も個人差があるようです。
菊池病は1972年に発見されてからまだ45年ほどしかたっておらず(福岡大学の菊池昌弘教授が発見したことから菊池病と呼ばれる)、発症する原因はまだ分かっていません。若い女性がかかる度合いが高く、主に首のリンパ節が腫れて38度前後の発熱が続く症状が出ます。気になる症状があるようであれば、病院に相談してみましょう(参考:壊死性リンパ節炎について/松山赤十字病院)。
画像提供:さんじろ(@ziroro326)さん
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