インタビュー

究極の自己紹介だこれ オタク向け婚活イベントに「DLsiteの購入履歴を見てもらう用タブレット」を置いたら何が起こるのか

DLsiteの婚活イベントで実施。ちなみに、2月開催の第2回も用意する予定。

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 2019年、2次元コンテンツ販売サイト「DLsite」がオタク向け婚活イベントやったんですよ、婚活イベント。そしたら、なぜか“他人に同サービスの購入履歴を見てもらう用タブレット”を設置する斜め上の試みが行われていた、と。

 もうね、意味がね、分からないよと。「自分が好きなものを他人に教える」というのは、自己紹介の定番でありながら、次会うとき、相手にマークされかねない危険を伴うもろ刃の剣。「趣味は映画鑑賞」「音楽鑑賞」などと無難に伝えることさえあるのに、趣味は趣味でも、かなり個性が出るオタク向けコンテンツの“趣味”をダイレクトに他人に伝えるというこのアプローチ、素人にはオススメできない究極の自己開示ともいえるかもしれません。

 そもそもオタク向けの婚活イベントなわけですから、もしかしたら一発で同志が見つけられる選択肢かもしれないけど……というこの自己紹介の仕方、実際に行った強者はいたのか、運営担当のIさんに話を伺ってみました。

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特設サイトに掲載されている第1回「恋カツ×婚活オフ会」レポ漫画。なお、「ツイッターでながれていた噂」については本記事内で後述

――― 第1回「恋カツ×婚活オフ会」で用意された、“購入履歴を見てもらう用タブレット”、実際に利用していた参加者は?

 そもそもの話をすると、“購入履歴を見てもらう用タブレット”は当初から予定していたものではありませんでした。

 イベントの告知をした際に、SNS上で「DLsiteの購入履歴を見せて婚活するの?」というネタコメントが現れていたんですね。それで盛り上がっているのを拝見しておりましたので(ありがたい限りです!)、「みんなそんなに期待しているなら、是非とも用意せねば!」と準備万端で臨みました。iPadを用意して、見せたい方が自分から見せられるようにしたんですね。

 ですが、会の冒頭でそのアナウンスしたところ、『カイジ』張りのザワザワと笑いに包まれ、使用される方はいらっしゃいませんでした。

なぜかSNS上であらぬうわさが広まり……
“そういうシチュ”として発展させてしまう人たちも
いろいろなバリエーションが登場
なるほど、こういうシチュもありうるのか……
フリー声優の一之瀬りとさんはその音声版を制作
なお、これはあくまでもSNS上のネタ。運営が乗っかって“自主的に”見せたい人向けにタブレットを用意したものの、利用者は現れず……

 ただ“普通の婚活イベント”と違って「年収は?」「年齢は?」といった初対面同士の糸口をつかもうとする会話はあまりなく、日常のこと、ハマっているジャンルやオススメの作品、クリエイター活動などを話している方が多かったですね。

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――― 好きな作品、ジャンルなどの話をする人は多かったものの、さすがに購入履歴を人前で公開する強者はいなかった、と

 「本棚を見ると、好みや思考が分かる」と言われますが、みなさまの秘密の本棚と位置付けていただくことも多いDLsiteの購入履歴は、より深くて濃い情報を秘めていますので……公にするのに慎重になられるのもごもっともだな、と感じました。

 一言で言えば、「にぎやかなオフ会」のような雰囲気でしたね。「購入履歴の公開」というショートカットを使わなくても、お互い話しているうちに自然と距離感が縮んでいき、共通の言語があればそれで盛り上がり、仲を深められている印象でした。

 こういった「恋カツ・婚活」イベントに参加されるのが初めてという方が多かったのは意外でしたが、「『DLsite』主催だから間口が広く感じた」といったお声があり、うれしかったです。

――― そもそも「DLsiteで婚活」という組み合わせに驚いている人もいましたが、カップルは成立したのですか?

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 詳細な統計はとっていないのですが、「お付き合いがはじまりました!」とご報告をくださった方も。連絡先の交換をされた方、連れ立って二次会へ行かれた方もいたとお伺いしています。このイベントが何かしらの「出会い」のきっかけにつながっていましたら、スタッフ一同うれしく思います。


 ちなみに、第1回は想定を超える応募数となり、2月29日には第2回が開催されるとのこと。応募状況にもよりますが、第2回の募集は2月5日まで行われる予定となっています。詳細は特設サイトからご確認ください。

 今回は参加者からの意見を踏まえ、短時間で席替えしながらいろいろな人と会話していくいわゆる“お見合い回転寿司”の実施、連絡先のスムーズな交換などを目的に「連絡先カード」を配布するといった変更を行うそうです。

 “購入履歴を見てもらう用タブレット”は第2回のイベントでも引き続き用意するとのことで、「主催が積極的にオススメすることはありませんが、もしチャレンジされたい方がいらっしゃいましたら、ご遠慮なくスタッフにお申しつけください!(笑)」とIさん。

 ちょっと恥ずかしい気もしますが、結局のところ、オタク同士で好きなジャンル、作品などの話で盛り上がったら、どんな作品を買っているのかは何となく分かるわけで。DLsiteの購入履歴を直接見せるというのは、いわば“オタクとしての自己紹介における究極のショートカット”といえるかもしれません。

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 ただし、同サービスの婚活イベントでは「主催が積極的にオススメすることはありません」とのことですが(大事なことなので2回言った)。

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