大人になった“てれび戦士”が語る、天てれへの感謝と舞台への思い 前田公輝、長江崚行、鎮西寿々歌、ド・ランクザン望インタビュー
4人にとっての“てれび戦士”とは。
NHK Eテレの子ども番組「天才てれびくん」から生まれた舞台「天才てれびくん the STAGE~てれび戦士REBORN~」が、1月23日に東京のヒューリックホール東京で開幕します。
放送開始から27年。1993年に始まった「天才てれびくん」は、「天才てれびくんワイド」「天才てれびくんMAX」「大!天才てれびくん」「Let's天才てれびくん」、そして現在放送中の「天才てれびくんYOU」へと名前を変えながら、長きにわたって子どもたちへ夢を届けてきました。てれび戦士たちの活躍をお茶の間から見守っていた子どもたちも、いまやその多くが立派な大人へと成長しています。
そんな、当時の視聴者たちの心に訴えかけるべく、ポスターに掲げられたキャッチコピーは「大人になったきみたちへ―」。大人のてれび戦士として舞台に立つのは、前田公輝さん、長江崚行さん、鎮西寿々歌さん、ド・ランクザン望さんといった、「天才てれびくんMAX」から「大!天才てれびくん」を支えた、てれび戦士たちです。
大人になったてれび戦士たちは、この舞台をどう受け止めているのか、そしてどんな舞台になっていくのか。NHK Eテレ「天才てれびくんYOU」へのゲスト出演直後(1月9日放送)に、前田さん、長江さん、鎮西さん、ド・ランクザンさんを直撃しました。
久々の天てれ出演に興奮冷めやらぬ4人
―― 「天才てれびくんYOU」の出演おつかれさまでした。久しぶりの「天才てれびくん」はいかがでしたか?
前田 どうでしたか?
長江 えー、いかがです?
鎮西 質問に質問で返す(笑)。
前田 いっくらでもしゃべれるけど(笑)。やっぱり「天才てれびくん」は楽しいなって思いましたね。舞台のやる気につながりました。
長江 帰ってきたって感じがありましたね。
前田&鎮西&ド・ランクザン あったー!
長江 僕らが出演していたときにお世話になった方々にも久しぶりに会えたんですけど、全然変わってなくて、当時の感じがよみがえってきて、「あ、ここに僕たちはいたんだな」って、すごく懐かしい気持ちになれました。
前田 あと、「天才てれびくん」から離れて時間がたつのに、現役のてれび戦士たちが受け入れてくれて良かったよね。
ド・ランクザン それはあるよねー。
鎮西 確かに(笑)。
長江 かわいかったー!
鎮西 でも……ギャグ全然ウケてなかったよ(※鎮西さんとド・ランクザンさんは生放送中に一発ギャグを披露していました)。
前田 ウケてなかった!? 俺たちは爆笑だったのに(笑)。
長江 いやー、でも楽しかったね。
前田 そうだねー。今日の中継みたいな天てれらしいところが舞台でも出ればいいよね。お客さんから、(楽しくて)あっという間に終わったねっていう感想が出るように頑張りたいです。
舞台化への驚きと天てれへの感謝
―― 視聴者側から見てもまさかの「天てれ舞台化!」でしたけど、皆さんはオファーがきたときどう思いましたか?
前田 まずびっくりして、それから自分が関われることへのうれしさに変わって。そこから冷静になったときに、「俺で大丈夫か?」って思うようになりました。
長江 これだけ歴史のあるシリーズの舞台の第1弾に選ばれて、めちゃくちゃプレッシャーを感じました。でも現場に入って、皆といろいろしゃべったら、「プレッシャーとかじゃなくて、自分たちが楽しくやるのが一番良いことなんだろうな」って気付きました。
ド・ランクザン 今回、てれび戦士じゃない新しい舞台メンバーも参加しているんですけど、それが本当に心強いです。本読みから不安がありましたが……、えーと(前田さんの方を見る)。
前田 本読みも稽古場もそうなんですけど、「あれ、この新メンバーの皆さまも『天才てれびくん』に出てましたっけ?」っていうぐらいの安心感と圧倒的な存在感があるので、すごく助かっているし、新しい「天才てれびくん」を届けられるんだなって思います。……ということを言いたかったんだよね?
ド・ランクザン そういうこと!
鎮西 さすが(笑)。私は、一緒に仕事をしていたのが、崚行ぐらいしかいなかったんだけど、稽古始まってそんなにたっていないのに、もう1カ月~2カ月ぐらいやっている感覚になってて。心の距離感っていうのかな。(横山)だいすけさんとかも声掛けてくださったりして、それがうれしくて。
最初にお話をいただいたときは単純に驚きました。天才“てれび”くんって言っているのに、テレビを抜け出して舞台っていうのが面白いなって。
前田 僕が最初にお話をもらったときは、配役とかの情報が全く出ていない状態だったんです。僕の人生の中で、「天才てれびくん」への感謝はものすごく大きくて。だからこそ、どんな役でも出たいという気持ちが強かった。
これまで多くの人たちが「天才てれびくん」に出演していて、いまも芸能活動をやられている方もいます。そういう人たちが納得できるような舞台になれば良いなと。いろんな決意をして舞台に立たなきゃいけないなと思っています。
想定外のことが起きるのが醍醐味。ライブ感を楽しんで
―― 今回の舞台では“てれび戦士である自分を演じる”という、かなり特殊な配役になっていますが、演じてみていかがですか?
前田 「あれからずっとてれび戦士だったら」というところから始まるんですけど、演出の(井上)テテさんには「これは絶対に自分だったら言わない」というセリフがあったら変えても良いと言ってもらっています。(高野)洸くんは今回ちょっとヒールな感じなので「高野洸」という存在からは離れているかもしれないですけど、僕たちに関しては、過去の自分たちのことを考えなくてもいいかなって。新しい自分たちの挑戦の場になっています。
長江 僕も同じことを思いました(キメ顔)。
前田 ずっこい(笑)。
長江 さっき公輝くんが言ったように、役としていただいた僕たちのてれび戦士像に、いまの僕たちもかなりリンクしている部分があります。だから、後は足りない部分だけ補えば、素の自分たちで舞台に立ってもいい。そういう意味では、他の作品よりもリラックスして演じれられます。
ド・ランクザン 不思議ですよね。キャラクターなのか自分なのか。自分が主ではあるんですけど。
前田 当時のわれわれを見ているお客さんは、多分いろいろな見方ができると思います。ここはあのころっぽいわーとか、ここが大人になったんだなーとか。初めて見るという方も、舞台の世界観を楽しんでもらえたらうれしいです。
―― 当時と大人になってからの対比も大きなポイントですね。他に皆さんが考える見どころはありますか?
前田 脚本を読んで、すごく「天才てれびくん」らしさを感じたのが、今回のテーマの「楽しい・つまらない・笑顔」。何回も繰り返される言葉なんですけど、この一番シンプルな言葉が一番深いメッセージを持っている気がしています。当時僕らは、そういうメッセージを発信していたと思うんですけど、そんなに深い言葉だとは知らずに、純粋だからこそ口にしていて。抽象的になってしまうんですけど、いろんなことを考えずに楽しんでもらえるところが魅力だし深いところでもあると思います。
他にも、歌やダンスのシーンもありますし、MTK(ミュージックてれびくん)の楽曲も使われています。殺陣もあって、てれび戦士がアクションするのって、子どものころは危険なので振り切れなかった部分もありましたけど、もう大人なので、普段の舞台でやるようなアクションになっていますし、寿々歌も激しめのアクションに挑戦しています。あと、バラエティー要素も結構あります。アドリブっぽいシーンもちょいちょいありますし、そういうところが箸休めになって、楽しく見てもらえればいいなと思っています。
長江&鎮西&ド・ランクザン 素晴らしい……(拍手)。
長江 当時見ていたお客さんも楽しめる内容だし、初めて見てくれるお客さんにもお笑いだったりお話の筋道的にも、楽しめる内容になっていると思います。
鎮西 今日の生放送に参加して、舞台はテレビ放送の延長線上にあるなって。夕方の18時20分から見る、あの感覚で見ていただけるんじゃないかな。
ド・ランクザン あと、今日の生放送でもいろいろと想定外のことが起きたけど、それが醍醐味(だいごみ)だと思います。その場に来ている人しか見られない何かがあると思う。初日と最終日は全く違うものになっているかもしれないし、そこは見どころでもあるのかな。録画したものではなくて、いまの僕たちが本気でやるところを見てほしいです。
前田 さっき寿々歌から「何公演あるんだっけ?」って聞かれて、「11回だと思うよ」って答えたんですけど、「じゃあ、一発ギャグは11個か」とか言い出したんで、そこも見どころだと思います(笑)。
生放送も収録も基本的に、その場のライブ感でやっています。それはさっき望が言った「全く違うものになる」ということなんですけど、もしかしたら寿々歌は10回やって一番ウケたのを千秋楽に持ってくるかもしれない。それはわれわれにも分からないんですよ。
鎮西 味をしめてね(笑)。
前田 だから稽古の結果を披露するというのもあるけど、そういったライブ感も楽しんでもらいたいですね。
最後はエモエモ選手権に
―― 最後に1つ、エモいことを聞こうかなと思います。皆さんにとって、“てれび戦士”とはなんですか?
前田 てれび戦士とは、ね……。あ、俺もう出ましたよ。
長江 あ、じゃあエモエモさんは最後で。
鎮西 エモエモさん(笑)。
長江 誰が一番エモいか選手権やりましょう。
前田 オッケー。
鎮西 じゃあ、はい! 何と戦っているかということだと思うんですけど……「己」と。
長江 いいねえ(笑)。
鎮西 メンバー同士で切磋琢磨していくというのもあったと思うんですけど、周りの大人の人たちが毎回いろんな壁を用意してくださって、それを自分たちでぶち壊して乗り越えていって、すごく成長させてくださったと思っていて。そういう己との戦いの場だったなと。それが“てれび戦士”です。
ド・ランクザン てれび戦士は子どもで、大人のスタッフたちに守られているんですけど、番組を通して同年代の子どもたちに発信していく立場でもあります。しかも、そのメッセージがポジティブ。信じること、勇気、協力すること……。「天才てれびくん」ってそこを守ってきた番組だと思うし、それに関わってきたのは僕の誇りでもあります。ずっと続いてもらいたいと思いますし、つまり……。
前田 ポジティブの頂点だよね。
ド・ランクザン そう、ポジティブの頂点ですね!
前田&長江&鎮西 (爆笑)。
ド・ランクザン いやいや(笑)。でも、それで、大人になる前に学んでおくべきことを吸収できるんです。だから、その……ポジティブの頂点ですよ(ドヤ顔)。
前田&長江&鎮西 (再び爆笑)。
ド・ランクザン 子どもに対してポジティブなことを教えられるっていうのは、大人ができる一番のことじゃないですか。僕も、舞台を通してそういうポジティブなメッセージを届けられればと思っています。だから、「天才てれびくん」に出ていなくてもてれび戦士にはなれる。そういうことを発信している人は“てれび戦士”なんだと思います。
長江 僕はいま役者をやっていますけど、「天才てれびくん」が僕の芸能人生のきっかけになっています。てれび戦士に憧れて、そのときのてれび戦士たちから夢をもらって、自分がてれび戦士になり、人に夢を与える立場になって。天てれを卒業してから自分は役者としていろんな役を通して、楽しさだったり夢を与える立場になっていったので、僕の人生の中で初めていただいた役が“てれび戦士”なんだろうなって思います。この地球が大きな演劇作品なんだとしたら、僕が初めて演じたのが“てれび戦士”なんだなと。大事しなきゃいけない肩書だと思います。さ、エモエモ番長どうぞ!
前田 僕は一言なんですけど、「永遠のエンタメ最強戦士」です。てれび戦士ってあらゆることに挑戦させてもらっていると思うんです。だから、自分はエンタメ最強戦士として舞台に立てるように頑張りたいと思います。
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応募期間
<第1弾>1月23日~1月25日正午:前田公輝さん(終了)
<第2弾>1月25日~1月27日正午:長江崚行さん(終了)
<第3弾>1月27日~1月29日正午:ド・ランクザン望さん(終了)
<第4弾>1月29日~1月31日正午:鎮西寿々歌さん(終了)
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