インタビュー

「修学旅行中の飲酒=不祥事」はよく考えると微妙な問題? 現役中学教員に聞く“仕事としての修学旅行”(2/3 ページ)

楽しい学校行事の代表格・修学旅行。教員視点ではどう変わる?

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「修学旅行中の飲酒=不祥事」はよく考えると微妙な問題?

―― そういえば修学旅行というと、教員の不祥事がたまに報じられているけど……

 お酒飲んじゃったとか、夜遊びしちゃったとかでしょ。よくよく考えてみると、おかしな話だと思うんだけどねえ……。「隣の部屋の先生はもう眠っていて、職務から解放されている。それなのに他の部屋の先生がお酒を飲むと、どうして職務怠慢になるんだろう」という疑問はあるよね。

―― 「勤務中はともかくとして、勤務時間外もダメなのか」「修学旅行中はどこからどこまでが勤務時間なのか」という問題か

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 中学校の教員は普通、1年生→2年生→3年生と順に担当していくから、修学旅行は先生にとっても3年に1度しかない特別なイベント。そういうこともあって、線引きがあいまいなままになっているんだと思う。

 ……まあ、本当は表沙汰になってないだけで、飲む人はこっそり飲んでいたりするのだけど。

―― あらあら

 俺はすぐに顔に出ちゃうタイプだからやらないけど、バレない程度、何かあっても対応できる程度に飲む人もいるんだよ。現実問題として「酒がないと眠れない」という人もいるからね。1泊だったら睡眠不足でも頑張れるかもしれないけど、さすがに2泊3日だとキツいんでしょ。

青春なら「京都・奈良まで行かなくても、友達の家に行けば経験できるでしょうに」

―― 修学旅行は「学を修める」と書くけど、生徒は何を学んでいるの?

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 正直、ただの思い出づくりになってしまっているよね。引率する教員側もトラブルなく行って帰ってくることが目的になっていて、そこまで考えていないのが実情だと思う。「教科書に載っているものが目の前にある」というのは良い体験だと思うけど……まあ、観光だよね。グループ旅行。

 修学旅行って授業時間をたくさん使って準備するんだけどさ、終わってから生徒に感想を聞くと「伏見稲荷は鳥居がいっぱいあった」「金閣寺は本当に金色だった」みたいな感じ。楽しかったことは「旅館でみんなでやったUNO」とか「寝ながら恋バナ」とか。

―― 青春してるなあ

 でも、そういう青春は、5万円も6万円もかけて京都・奈良まで行かなくても、友達の家に行けば経験できるでしょうに(笑)。「修学旅行は無意味だ」と言うつもりはないけど、授業時間とお金をたくさん使ってまでやることなんだろうか。

 生徒も教員も何のための行事が分からなくなっているなら、行き先も含めて再検討すべきだと思う。いっそ振り切って、2泊3日のディズニーランド旅行とか(笑)。

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―― 楽しそうだなあ。何を学ぶ行事なのかはよく分からないけど、良い思い出がつくれそう

(続く)

※本企画は、現役教員の声をそのまま記事化したものです。実際の労働環境などは自治体、学校などによって異なる可能性があります。

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