インタビュー

「†クラウド†」「KURAUDO」を名乗っていた人に聞く思春期のエピソード こうして俺たちは“クラウドになった”勝手にFFVIIリメイク発売記念(3/3 ページ)

「凶斬りを練習」「クラウド好きの女性に養われていた」

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クラウドとの出会いが人生を変えた ゲームを禁止されていた少年がプロプレイヤーに

 今回の取材でお話を伺った皆さんは、クラウドとして活動していた時期の痛々しさを認めながらも、同時に「それでも楽しかった」「後の恥ずかしさも含めていい思い出」「クラウドが好きであることは今でも変わらない」とポジティブに受け入れている方ばかりだった。

 中でもプロカードゲームプレイヤーあむ(@4mutaaaN)さんは、「FFVII」やクラウドとの出会いが、現在の生き方につながったと話す。

――あむさんは、自身のnoteでもFFVIIの思い出を綴っています。テレビゲーム禁止の家庭で育ち、ほとんどゲームを遊んだことがない状態でFFVIIに出会ったとのことですが、どのような印象を受けましたか?

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あむさん とにかく衝撃的でした。魔晄炉に囲まれたミッドガル、ダークで大人っぽいストーリー、そして何よりクラウドのかっこよさ。一瞬で虜になりました。

――クラウドのどこに惹かれましたか?

あむさん 見た目ももちろんですが、戦闘終了後にバスターソードをくるくる回したり、「興味ないね」と言い放ったり、しぐさやセリフも大好きでした。小学2年生だった自分には全く新しいヒーロー像で、非常に影響されましたね。

――例えばどのように?

あむさん 電車の窓から見える景色にクラウドを走らせていました

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――あの、普通は忍者に走らせるアレを。FFVIIとの出会いはその頃でしたが、クリアまでにはしばらくかかったそうで。

あむさん そうですね。FFVIIをプレイしていた叔母の家にはメモリーカードが無かったんです。中学生に上がり、テレビゲームが解禁されたことでようやくエンディングにたどり着けました。長年ミッドガルを出ることすら叶わなかったので、広大なワールドマップを見て胸が熱くなりました。

 当時の感動があったからこそ、ゲーム関係の仕事に就くことが出来たのだと思います。

――FFVIIが原体験になり、人生そのものを決定づけたのですね。

あむさん  キャラクターの名前を名乗る背景には、単なる憧れや同一視だけじゃなくて、自分の可能性への期待みたいな要素も存在すると思っています。彼・彼女みたいに強く、かっこよくなれるかもしれない。そんなモチベーションが人生を動かすきっかけになることもあるのではないでしょうか。

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――ありがとございます。最後にリメイク版に期待することはありますか?

あむさん  正直、最後までリリースしてくれればもうそれで満足……。リメイク第一部はミッドガル脱出まで、第二部の発売にはまた数年単位で時間がかかるのだろうと思います。普通ならもどかしさを感じるのかもしれませんが、僕の場合は子供の頃と重なって、どこか懐かしい気持ちになれるんです。


 子どものころはクールで無機質な側面ばかりかっこよく見えるクラウドだが、大人になってから「FFVII」本編を遊んでみると、複雑な境遇やパーソナリティーが織りなす多層的な魅力に気付かされる。クールで無機質なだけのイケメンは幼馴染のパンツを盗まないので。

 入り口は「中二病」だったとしても、10年、20年と変わらずに好きでいられる懐の深さが、クラウドを世界的キャラクターの地位にまで押し上げたのだろう。

 今回のリメイクに対して筆者が期待するのは、アドベントチルドレン以降のクラウドではない、本編のクラウドをちゃんと描いてほしい、ただそれだけだ。

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 「ファイナルファンタジーVII リメイク」は4月10日発売。改めて、クラウドになってみませんか?

執筆者:戸部マミヤ

編集者。ライター。学生時代はクラウドに憧れて女装していた。好きなマテリアは「ついかこうか」。

Twitter:@alicetroemeria

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