メデューサと二口女が交わした友情…… 異種族が普通に生きる世界と女の子たちを描いた漫画にほっこり
ふたりの仲の展開を見ているとドキドキします。
知らない環境に入る時の、独特の緊張感。入学、就職、転職、引っ越し、転校などなど、誰でも一度は体験したことがあるでしょう。それが今までとまったく異なる環境となれば、その緊張感は計り知れません。今回ご紹介する漫画は異種族……妖怪やUMA、神話的存在などが当たり前にいる世界で生きる、ある女の子のお話です。
作者はショーンP/初雲(@makkyisu1)さん。オリジナル作品を中心に、BOOTHや委託販売にて同人誌の頒布もされています。
転校生メデューサと二口女 その1
ある学校へ転校してきた女の子「メディ・ゴルゴーン」。種族は名前の通り、ギリシア神話に登場する怪物「ゴルゴーン三姉妹」の1柱「メデューサ」です。メデューサはこの国には少ない、いわゆる外国人と見られる珍しい種族でした。
メディは小さな頃から転校を繰り返しているらしく、「きっとまたすぐに転校するのだから、わざわざ友達を作らなくてもいいよね」などと考えていたのですが……前の席に座る女の子が声を掛けてきました。それも思いもよらぬ形です。
その子は後頭部にある口を開き、メディに話し掛けてきたのです。彼女の名前は「二口告(ふたくち・つぐ)」。種族は日本に伝わる妖怪で、後頭部にあるもうひとつの口から食べ物を摂取する「二口女」でした。髪の毛を自在に操れるという点から、江戸時代の奇談集『絵本百物語』で描かれたタイプの二口女のようです。
顔の口と後頭部の口を駆使し、フランクに話し掛けてくる二口さんを見て「少し苦手なタイプだな」と思うメディでしたが……これからふたりは少しずつ、友情を深めていくのでした。
転校生メデューサと二口女 その2
メディと二口さんが話した、その直後の授業中。真面目に授業を受けるメディでしたが……彼女の目の前では二口さんが後頭部の口と髪の毛を使い、先生から見えない角度で器用な早弁をしていました。
朝ご飯を食べておらず、お腹を空かせていたメディはその様子を眺めるうち、お腹の虫を大きく鳴らしてしまったのです。
クラスに冷笑が広がり、転校初日にやらかした……と落ち込むメディでしたが、二口さんはそれを打ち消すように「いやぁー朝めっちゃ食べてきたのになー」と大声を出します。クラスの皆は笑いつつ「なんだ、やっぱり二口か」と納得するのでした。
その後ふたりはこっそり、お互いに謝りあいます。そして二口さんは「少しは食べておいたほうがいいよ」とマドレーヌを差し出し、同時に「お昼一緒に食べようね」と、なし崩しにメディと約束を交わすのでした。
この後に、二口さんとメディが他の異種族クラスメイトと一緒に昼食をする、部活の勧誘に囲まれる、すぐに仲良くなったふたり、メディの能力発揮などなど、続きが数々描かれています。4月10日の時点で「転校生メデューサと二口女」は7本描かれており、それらはショーンP/初雲さんのTwitterで見ることができます。続きが気になる方はぜひご覧ください。
3話目以降を読む
作品提供:ショーンP/初雲(@makkyisu1)さん
(たけしな竜美)
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