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心中しようとした文豪がトラックにひかれて異世界転生 漫画『異世界失格』が異世界転生の新たな可能性すぎる(1/3 ページ)

異世界×文豪。

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 自殺しようとした文豪がトラックにはねられ異世界に転生する話を描いた漫画『異世界失格』が定番を逆手に取った作品として話題を集めています。原作は野田宏さん、作画は若松卓宏さん。『人魚姫のごめんねごはん』コンビによる新作です。

『異世界失格』

 玉川上水で入水自殺を図る作家と愛人。とある文豪の最期として有名な話ですが、そこにトラックが突っ込んで来て2人は自殺ではない死を遂げます。

 文豪が目を覚ますと、そこは教会のような場所。辺りを見回し「ここが死後の世界というわけかね」と感心をしていたところ、「ここは死後の世界ではない」と、この世界の案内人を名乗るアネットが現れました。

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 外を見るように促されると、そこにはドラゴンが飛び交う世界。作家は選ばれし者として、異世界に転生してしまったというのです。

 アネットによれば、自殺の際に現れたトラック、通称「異世界当選トラック」こそが文豪が勇者に選ばれた証。不幸な人生を送る人の元に現れて人生をやり直すことができるサービス……なのですが、文豪は自殺こそが自身にとっての幸せであり、不幸だと決めつけるのはおこがましいと憤慨します。

 通常、転生者は何かしら優れたスキルを身に着けているものですが、文豪のステータスはいずれも最低で、アネットは思わず絶句。そんな状態で危険なモンスターがいる外に出ようとする文豪に、彼がどうやら手違いで転生させられていたことを伝えます。ところが文豪は聞く耳を持ちません。

 アネットが、せめて異世界の職業を身につけてから旅立つよう懇願すると、「僕は生まれながらに作家だよ。それ以上でもそれ以下でもない」とのセリフを残し旅立って行きました。ステータスは最弱なのに、なんだか格好良い……!

 旅立った文豪は、魔物の“デスツリー”に捕まった猫耳の冒険者に遭遇。ですが、助けを求められても手助けするどころか、瀕死の状態をうらやみ、魔物の手中に自ら飛び込む始末。冒険は早くもここまでか……というところで、文豪の特殊スキル(?)「猛毒」が発動。デスツリーはボロボロと朽ち果ててしまいました。

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 結果的に猫耳少女を助けた文豪は、ふと生前の入水時に傍らにいた女性「さっちゃん」の存在を思い出します。こうして、彼はこの酔狂な異世界で生きていく目的を初めて見つけます。それは「自殺」ではなく、運命の女性さっちゃんとの「心中」。かくして、文豪の前向きだか後ろ向きだか分からない壮大な冒険が幕を開けたのでした。

 1話がTwitterに投稿されると、読者から「これネタがわかったら百倍おもろくなるやつやん……」「太宰治だけでなく夏目漱石等の文豪ネタがちりばめられていて面白いですね」「こんな異世界転生を待っていた!!」「古い定番と新しい定番を混ぜるとこうなるとは…」と評判に。

 『異世界失格』は、やわらかスピリッツで好評連載中。4月にはビッグコミックスより単行本1巻が発売されました。今回ねとらぼでは第1話の前後編を出張掲載します!

『異世界失格』第1話

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