町田の黒ギャルが地味な文学青年に一目ぼれするラブコメ『スーパーベイビー』を、相模原市民がレビューする(2/3 ページ)
【1話試し読みあり】町田のロケ地探訪もあります!
『スーパーベイビー』ロケ地探訪
さて、ここからは町田の話をしましょう(ここまでも町田の話しかしていない気もしますが……)。『スーパーベイビー』に登場する場所は、少しずつ名称や看板の文字などが変更されてはいますが、背景を見るだけで「町田のあそこじゃん」と理解できるほど具体的です。ここからは『スーパーベイビー』の描写から、具体的なロケ地を探ってみたいと思います。
玉緒と楽丸の職場
まず重要なのはふたりの職場です。玉緒と楽丸は同じビルで働いており、ビルの名前は「ミルネ町田」とされています。町田フリークのみなさんであればすぐにわかると思いますが、これはルミネ町田のパロディです。
玉緒の働くミルネ6階のギャルショップ「NANCY」は、おそらくギャル服ブランド「MOUSSY」のパロディではないかと思われますが、町田のMOUSSYはレミィ町田(かつての109です)に入っています。なお、薄暗くてダンスミュージックががんがんかかっているタイプのギャル服フロアは、今のルミネにはありません。
また、かつてルミネ町田には1階が高級スーパー「ザ・ガーデン自由が丘」であった時期がありますが、現在はテナントが変わっています。楽丸の職場「モルエツ」はマルエツのパロディだと考えられるため、ザ・ガーデン自由が丘がモデルだとは言い切れません。
これらのことから、「スーパーベイビー」時空の「ミルネ町田」は、ルミネ町田をモデルにしつつ、さまざまな要素を加味した架空のファッションビルだと考えられるでしょう。
さらに先ほど紹介した2話でふたりが出会う場所は、町田宝永堂側にある従業員出口です。町田の人間なら壁の模様でわかる。
喫茶店
楽丸が小説を書くときに利用している喫茶店「ロッソ」は、町田の喫茶店「ロッセ」がモデルだと思われます。赤い看板が目印の老舗です。楽丸はシンプルなブラックコーヒーにミルクと砂糖をたっぷり入れて飲んでいますが、ロッセは豆の種類もコーヒー以外のメニューも豊富です。筆者はウインナコーヒーとチャイを推しております。
また、玉緒と楽丸が後輩カップル・ジュリ&ともみつとともにお茶をするカフェは、小田急線南口を出たところにある宮越屋珈琲がモデルだと考えられます。宮越屋珈琲は北海道を中心に展開しているカフェで、北海道外の店舗は実はレアなのです。
町田のアイコン
町田を象徴するアイコンといえば、駅前ロータリーにそびえる回るオブジェ「光の舞」です。「町田のぐるぐる」「回るやつ」などと呼ばれる町田の有名な待ち合わせスポットですが、もちろん『スーパーベイビー』にも登場します。
また町田の特徴として、横浜線と小田急線の2路線が通っていることが挙げられますが、この少し離れた2つの町田駅を繋いでいるのが駅前のペデストリアンデッキです。1話に出てくるのは小田急線側から横浜線方面を向いたカット。マルイのロゴは「9I9I」に変更されていますね。
このように、『スーパーベイビー』は、かなり具体的に町田駅周辺を生活圏とする人たちのスイートなラブコメディです。作中でも少し言及がありますが、今後はやはり町田リス園(町田に存在するリスだらけの動物園。そこそこ凶暴なリスにえさをやることができる)が登場するのではないか、と筆者は勝手に予想しています。
記事を読んで少しでも興味を持った方は、ぜひ『スーパーベイビー』をチェックし、町田も一緒に好きになっていただけたらうれしいなと思います。まあ私は相模原市民ですが……。
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