公演中止で苦境に立たされた劇団四季のクラウドファンディング、わずか3日で目標の1億円を突破
さらに増える勢い。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響に伴う公演中止で苦境に陥っている劇団四季が6月20日、支援を募っているクラウドファンディングで目標としている1億円を突破した。支援は引き続き呼びかけている。
6月末までに年間公演の3分の1を中止することとなり、かつてない事態と損失に直面している劇団四季は、以前のように観劇を楽しめるようになるまでに時間もかかるとして「MOTION GALLERY」で6月17日に支援の呼びかけを開始。わずか1日で5000万円以上を集めていた。20日16時までに1億円が集まっており、支援者は7000人を超えている。
劇団四季は国内に複数の専用劇場を持ち、約1400人の俳優・技術スタッフ・経営スタッフが所属。近年の年間の総公演回数は3000回以上で、総観客数は300万人を超えている。新型コロナウイルスの感染拡大の中、2月末には公演活動を中止。6月末までの4カ月間だけでも約1000公演が中止となっており、それが7月中旬までは続く見通しで、かつてない経営危機に直面している。
支援は1000円コースから10万円コースまでさまざま。リターンとして感謝状やオリジナルアイテム、劇団四季のチケットが購入できるギフトコードが用意されている。
現在は公演再開に向け、上演の方法を試行錯誤している段階。クラウドファンディングでの支援は中止公演の損失補填および今後の活動資金に充てるとしている。
劇団四季では10月に、16年ぶりとなる新作オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』が、東京・自由劇場で開幕するほか、今秋新たなフラッグシップ劇場となるJR東日本四季劇場[春][秋]が東京・竹芝にオープンする予定。JR東日本四季劇場[秋]は10月、『オペラ座の怪人』でこけら落としを迎え、JR東日本四季劇場[春]は2021年1月、新作ショウ『劇団四季 The Bridge~歌の架け橋~』で開場予定とのこと。その後は、ディズニー最新ミュージカル『アナと雪の女王』が2021年6月に開幕を控えている。
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