「フィルム上映のしくみ」描いた漫画 映写機やカメラの図解で映画がもっと好きになる(1/2 ページ)
【記事の最後に本編第1話を掲載】
映画館でデジタル上映が一般的になり、およそ10年が経ちました。フィルム上映に触れる機会はめっきり減りましたが、それでもフィルムにしかない味わいを守る場所は確かに残っています。そんな場所の1つである名画座でのアルバイトを通じて、映画の歴史や上映の仕組みについて解説する漫画が、映画をもっと好きにさせてくれます。
『フィルムの映画史』と題されたこの作品では、映画が大好きな大学生・茂木凛子の目を通じて、名画座の様子を丹念に描きます。バイト先には映画史に詳しい大学院生の西さんや、その道30年のベテラン映画技師の松林さんなど、上映を裏から支えるスタッフが登場。
第1話では、バイトを始めたばかりの主人公・茂木さんが、初めて見る生のフィルムや映写機に興味津々。バイト時間が終わった後も自然と居残りをして、映写室についてもっと知ろうとしています。そんな様子を見て、西さんや松林さんが上映の仕組みについて、丁寧な説明をしてくれます。
物理的なフィルムは、2時間の映画では全長3キロ以上になるため、そのままリールに巻くと直径1メートルほどの巨大なものになってしまいます。そのため持ち運ぶのには小さなリール7~10缶程度に分割し、上映時には小分けしたリールをつなげ直す作業も発生します。フィルムを巻いたり巻き戻すのに使う「リワインダー」や、フィルムとフィルムをつなげる「スプライサー」といった機械が必要で……。
普段観客として意識することは少なくても、いくつもの知識や作業工程の積み重ねを経て映画が上映されているのだと実感させられます。
作品が公開されると、noteのコメント欄やTwitter上で「超分かりやすい」「映写技師です。なかなか説明するのが難しい映写機の仕組みが分かりやすく解説されていて感動しました」「現場の技師さんがいなければどんなに上等な映画も見られる事はない」「この先も楽しみ!」といった感想が寄せられていました。
作品を投稿したのは、漫画家のゆめのさん(@yumenonohibi)。これまで第3話まで公開しており、「ゆくゆくは文章や写真での解説も満載な形で本にしたい」とも語っています。今後の掲載が楽しみです。
『フィルムの映画史』第1話を読む
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