インタビュー

「人間の全ての過程を歌いたい」 “超歌手”大森靖子が今、叫びたいこと(2/2 ページ)

「人間はただただ経験して、ボロボロになってひたすら美しくなっていく生き物、それでいいじゃないか」

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世間でいわれる“かわいい”より多角的な魅力がある人が好き

――アーティストとしても成長された部分は多いと思いますが、道重さんや峯田さんとコラボするという夢を形にしていく中で、達成感のようなものは感じますか?

大森 道重さんと峯田さんは“好き”の対象で、私がなりたい憧れの対象は小室哲哉さんとつんく♂さん。そこを超えられるまでって果てしないので、達成感は何もないです。多作なお二方に比べたら、まだまだ曲も全然足りないですし。

 道重さんは日々美しくなっていかれるので、それに追い付かないとと思っています。7月13日にお誕生日を迎えられて、先日、生誕イベントがあったのですが、道重さんどんどん早口になっているんです、私以上に。度を超えてしゃべっていて、本当に最高でした。

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 だから、歌詞にしなきゃいけないことがどんどん増えていくので、全く追い付いていないですよ。

――アイドル愛あふれる大森さんが理想とするアイドル像はありますか?

大森 “理想のアイドル像”を日々超えてくる人です。理想って、自分が勝手に決めた“その人”で、本当の“その人”ではないじゃないですか。よく、自分の中の理想を愛でていったときに、「私はこうじゃない」と言われるとショックを受ける人がいますが、私は「そんなところもあったなら早く教えてよ! ごめん知らなくて! それも最高なのって最高じゃん!」という気持ちになってしまうんです。少し癖が強くて、その人らしさがありつつ、多角的な魅力がある人が好きです。

――その理想は自身がアイドルグループをプロデュースする立場になっても変わりなかったですか?

大森 基本、自分を表現することに真摯(しんし)な人が好きなので、そこに変わりはないです。道重さんも峯田さんもそうですが、うまくできないことへの葛藤みたいなところや、落ち込んでいる姿も全部好きなんですよね。

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 むしろ、世間でいわれる“かわいい”とかがあまり好きではないです。かわいいって、その人が世の中にどう思われてもいいから譲りたくないと思った部分を表現して、それをかわいいって言われたものが一番かわいいと思うんです。なので、それをできる人が好き。世の中でかわいとされている顔が好きとかは全くないです。

――ご自身のグループにもその思いは反映されていますか?

大森 そうですね。私がそういう癖のある人しか好きになれないからという部分はあると思いますが、毎日メンバー同士、言っていることを理解するのが大変です。

――プロデュースする上で大事にされていたことなどあるのでしょうか?

大森 「曲が一番偉いよ、君より」「それ以外のところでは自分自身が一番偉いからね」というのはいつもメンバーに言っていました。

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 あとは、曲を作るときに全員の意見を聞く。聞かない方がうまくいくんですが……1人ずつ深く聞いた上で楽曲を形作っていくことは、今までのプロデューサーでやっている人はいないと思うんです。小室さんやつんく♂さんがやっていないところはそこだし、自分だから突き抜けられるポイントも絶対そこなので、その視点を持ち続けることが新しいなと思います。


新曲「シンガーソングライター」

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