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【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】運ゲー過ぎてもはや“フルCGマインドシーカー”3DO版「チキチキマシン猛レース」(1/2 ページ)

「原作へのリスペクトは、本当に120点なんですよ」。

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 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回は90年代に登場した3DO向けソフト「チキチキマシン猛レース ケンケンとブラック魔王のイジワル大作戦」のお話を伺いました。

※3DO:米国3DO社が開発した32ビットのマルチメディア端末の統一規格。94年に「3DO REAL」(松下電器産業)、「3DO TRY」(三洋電機)が登場

企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2~3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

3DO版「チキチキマシン猛レース」(クッパ氏さん/@kuppadaiou

 ハードを引き払った今でも所持していて、本当に好きなんだけど本当につまらないゲームとして、3DO版「チキチキマシン猛レース」があります。

 一言で言うなら「沢尻エリカの元夫のハイパーメディアクリエイターが世に放った、最先端フルCGのマインドシーカー」です。

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このゲームの魅力

 1994年発売ということを考えると、全編フル3DCG、サブキャラ含めて全てフルボイスというのは素晴らしい技術だと思われます。

 ボイスに関しても鬼籍の方や引退している方を除いては、全て放映当時のオリジナル声優を起用しており、キャラゲーとしては100点満点だと思います。また、シナリオやレースに関しても完全に新規書下ろしで展開し、お約束はあれど、このゲームでしか見ることのできない新規エピソードが盛りだくさん。ファンとしては非常に喜ばしいことです。

 このゲームの魅力は、原作へのリスペクトの深さであり、キャラゲーの押さえるべきポイントは全て押さえているところです。

世間ではクソゲーと言われている理由

 このゲームは老若男女誰でもクリアできる内容であるにもかかわらず、歴戦のゲーマーでも苦戦する場面が多々あります。誰にでもクリアできるかもしれないし、できないかもしれません。

 というのも、これはレースゲームではないのです。レースパートは誰が1位になるかを予想するトトカルチョで、ベットした後はただただ原作さながらのレースを眺めるだけです。

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 レース結果も完全ランダム。一度に2人までベットできるので、ベット後は2/10を引くことを祈るだけです。レース自体はだいたい5~10分程度のムービーで、もちろんスキップすることはできません。

 見事的中させればアドベンチャーパートに移行できるチケットが手に入りますが、これを10キャラ分的中させる必要があります。もちろん一度的中させたキャラもレースで無慈悲に優勝するので、いつまでも2/10です。

 さらに凶悪なことにごく稀ではありますが、ブラック魔王(ベット不可キャラ)が優勝するときもります。実質2/11、18%を引かない限り先に進めない苦行です。

 アドベンチャーパートも、フル3Dで描かれた各キャラの世界をコマンド総当たりに近いことをやって進んでいき、またもや運で決まる選択肢を突破する必要があります。失敗すると最初からやり直しになります。一番ヒドいステージだと、何もしなくても20%の確率でゲームオーバーになります。本当に意味が分かりません。

 このように、本作は何もかもが運で決まるマインドシーカーのようなゲーム。そもそもレースゲームを期待して買ったらレースさせてもらえないあたりが究極にクソだと思います。

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 これが「誰にでもクリアできるかもしれないし、できないかもしない」理由です。ちなみに、私は40時間ほど掛けてクリアしましたが、RTAの記録は4時間程度らしいです。

クソゲーとされる理由に納得できるか

 納得しない人はいないと思います。

 内容を知ったうえで、紛失したからと買い戻す人間は私ぐらいしかいないと思いますし、このゲームが好きだなんて公言する人間は世界でも指折り数えられるくらいしかいないと思います。

 ぜひとも一度お調べいただいて、あの地獄のようなゲームに触れていただきたいです。

 原作へのリスペクトは、本当に120点なんですよ。そこが最高に素晴らしい。他のキャラゲーも見習うべきだと思います。

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