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なんとなく募金箱に入れたおつり、何に使われるの?  知ると心がきゅっとなる「マクドナルド」レジ募金の行き先

ちょっとの募金や寄付って本当に意味ある? そんなあなたに知ってほしい。

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知ってましたか? 「マクドナルド」レジ前の募金の行き先

 作りたてのハンバーガーやポテトが、テイクアウトでもイートインでも手軽に楽しめるマクドナルド。お腹を空かせながらメニューを選び、注文と支払いを済ませるとき……レジ前にある募金箱に、気づいている人はどれくらいいるでしょうか?

 「お昼ごはんを買ったついでに、おつりの小銭を募金箱に入れたことがある」という人もいれば、「置いてあったような気もするけれど、ちゃんと見たことはない」という人もいることでしょう。しかし実は、「募金したことはあるけど、具体的に何にお金が使われているのかまでは知らない」という人こそ少なくないのではないでしょうか。

 マクドナルドの募金箱で集まったお金はすべて、ある施設の運営のために充てられています。

病気と闘う子どもとその家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」

 全国11カ所にある「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、病気と闘う子どもとその家族のための滞在施設です。子どもが重い病気にかかってしまった場合、自宅近くの病院で検査や治療をすることが難しく、やむを得ず自宅から遠く離れた病院を訪れるというケースが珍しくありません。検査や手術を受けるために遠方の病院を訪れるという状況は、大人であっても不安やストレスを感じやすいですが、それが子どもであればなおさらのことです。またその家族も、さまざまな負担を抱えながら子どもに付き添っています。

 そのような子どもとその家族を支える滞在施設が「ドナルド・マクドナルド・ハウス」(以下「ハウス」)です。国内11カ所のハウスはすべて病院の近くにあり、1日1人1000円で利用することができます。この施設の運営は、マクドナルド店頭募金をはじめとした募金と寄付、そしてボランティアの方々のサポートによって成り立っています。


全世界に376カ所、日本国内には11カ所ある「ドナルド・マクドナルド・ハウス」(2020年11月時点)

 ハウスの中は、いったいどんな雰囲気なんだろう? 募金が役に立っているというけれど、具体的にどんなことに使われているんだろう? ねとらぼ編集部では、特別に許可をいただいて「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の中を取材してきました。

食事やお風呂、一緒に寝られるベッド 病気の子どもと家族が一緒にいる時間をふやす募金

 東京都世田谷区、国立成育医療研究センターのすぐ横に建つ「ドナルド・マクドナルド・ハウスせたがや」(以下「せたがやハウス」)。せたがやハウスは、全国に11カ所あるハウスの中で最初にできた「日本初のドナルド・マクドナルド・ハウス」です。今回はこの施設の中を、ハウスのボランティアの方に案内していただきました。

 訪れたのは午前中。日中は病院で子どもに付き添っているという利用者の方が多いので、ハウスの中は静かなようすでした。


病院のすぐ横に建っています

共用スペース

ランドリー

 せたがやハウスには、家族ごとに使用できる個室が23室と、共同で使用するキッチンやランドリールームなどの設備があります。


家族ごとに使用できる個室

 家族ごとに使用できる個室には、ベッドとバス・トイレが備わっています。プライベートな空間がしっかり確保されているので、子どもや家族が安心して過ごすことができます。

 各部屋のベッドや机などの備品、そしてトイレットペーパーやボディソープなどの入浴用具などは、すべて募金で購入されたものです。また、寄付で直接品物が送られることもあるそうです。


家族ごとに使用できる、共用スペースのキッチン

 こちらは、共同で使用できるキッチンです。電子レンジのような調理器具はもちろん、コンロや流しなどのしっかりとした設備まであります。現在は新型コロナウイルス感染症対策として、キッチンの使用は予約制となっており、使用ごとに消毒作業が行われています。

 入院中の子どもと可能な限り長い時間を一緒に過ごしている利用者の中には、自分の食事は二の次で、外食が続いたり、栄養が偏ったりしがちという方も少なくありません。そんな利用者の方々にとって、調理ができたり広々とした空間で食事ができたりすることは、大きなメリットです。


手軽に食べられる食品や飲料も、利用者の方々にとってはうれしい

 共用スペースには、寄付で贈られたレトルト食品や飲料なども置いてあり、自由に食べたり飲んだりすることができます。これらも家族の方々にとって大きな助けになりますし、「寄付や募金を通じて、自分たちをサポートしてくれる人たちがいる」と感じられることも、利用者の人々にとって心の支えになります。

家族どうしだからこそ、わかりあえる 利用者の交流が生み出すあたたかい時間

 またハウスは、家族が安心して過ごせるだけでなく、利用家族同士の交流が生まれる場所でもあります。ハウス内で家族同士が会話したり、あるいは言葉を交わさなくても「自分たちと同じように、病気と向き合っている家族が近くにいるんだ」と感じられたりすることは、自宅から遠い病院で治療にはげむ子どもの家族にとって、とても支えになります。ハウスには、 “家族同士の小さな交流”を生むための仕組みが随所に取り入れられています。


個室の外にも、居心地が良いスペースがたくさんあります

 キッチンや共有スペースは壁がなく見通しが良いので、利用者家族同士の顔が見えやすい空間になっています。また、各個室にはテレビが置かれていません。つらい気持ちを抱えた利用者の方が、部屋に閉じこもってテレビを見て過ごすだけ……という状況になりにくいよう“あえて”そうなっているそうです。共用スペースでテレビを見たり、キッチンで他の利用者の顔を見ながら調理したりする(※)ことは、気持ちが切り替えられるきっかけになります。そこで生まれる利用者家族同士の交流が、お互いの心の支えになることもあるといいます。

(※編集部注:現在、キッチンや共用スペースは利用家族同士がソーシャルディスタンスを保って利用できるように配慮の上で運営されています)


利用者の方の思いが詰まったノート

 また各部屋の机の上には、一冊のノートが置かれています。このノートは、「嬉しかったこと、悲しかったこと、不満に思う事」「次にこのお部屋を利用される方へのメッセージや役立つ情報など」何でも自由に書き込んで良いというノートです。書き込まれているのは子どもの様子、治療への意気込みと不安、ときには愚痴などさまざまな言葉たち……そして、ハウスへの感謝の言葉も多く書かれています。

 「治療ができる病院を必死に探してここにたどり着きましたが、ハウスがなければ入院するのはとても難しい状況でした。深く感謝しています」「入院中の息子を毎日励ましながら、娘とも一緒に過ごせる場所があってありがたかった。ハウスとボランティアさんの存在があったからこそでした」――部屋の清掃中、ノートに綴られたそんな言葉をふと目にすると、ボランティアさんも胸がつまる思いになるといいます。

 みなさんからの募金や寄付は、ハウスという場所を通じて、病気と闘う子どもたちとその家族にとって確実に大きなサポートになっています。そのことを、今回の取材を通して実感しました。

「ひとりひとりができることを、少しずつ」 ハウスを支えるボランティアの方々

 今回せたがやハウスの中を案内してくださったボランティアの金子さんに、ハウスの様子やボランティアさんの日々の活動についても詳しくお伺いすることができました。


せたがやハウス ボランティアの金子さん

――金子さんは、どういったきっかけでハウスのボランティアに参加するようになったのでしょうか。以前からハウスの存在をご存知だったのでしょうか?

金子さん友人がハウスのボランティアをずっと続けていて、話は少しだけ聞いたことがあったので存在は知っていました。そこでボランティア説明会に行ってみて「週に2回、1日3時間から」ということを聞き、それなら私にもできることがあるかな……と思ったのが始めたきっかけでした。

――お友達の紹介からだったのですね! ボランティアの方々は、同じようなきっかけで来られることが多いのでしょうか。

金子さん国立成育医療研究センター(せたがやハウス近くの病院)を利用していたという人もいれば、私のように友人・知人から話を聞いて……という人もいます。私も友人に教えてもらうまではハウスの存在を知りませんでしたし、初めて「ドナルド・マクドナルド・ハウス」という名前を聞いたときも「ハンバーガーを食べられるお店なのかな?」と思ったくらいなんです。

 でも、ボランティアを始めてみるとそれが日常の一部になって……気がつけば、ボランティアを始めてから今年で8年になります。

――そうなんですね! 金子さんは、ハウスで日々どんなルーティンでボランティアをされているのでしょうか。

金子さん私は現在週に2回、午前9時~12時の時間帯を担当しています。朝は面会時間・診察開始時間に合わせてハウスを出られる方が多いので、チェックアウトの手続きが必要な場合はその対応をします。それからお掃除、お洗濯、共用スペースの消毒など……時間帯ごとにルーティンは少し異なりますが、基本は皆さんが普段お家でされていることの延長線上といった感じです。

 ボランティアの皆さんは年齢層もバックグラウンドもバラバラで、いろんな方がいます。お裁縫が好きな方たちは、空き時間にパッチワークをされていて、完成した作品を館内に飾ってくださることもあります。また海外から治療を受けにきた利用者の方がいらっしゃったとき、フランス語が話せるボランティアの方がいたのには驚きました。


各個室や共用スペースなどさまざまな場所に飾られている、ボランティア有志の方々によるパッチワーク作品。一部は、実際に利用者の寝具として使用されることもあるといいます

 ただ、特別な経験や技術などがないからといって、気後れする必要は全くありません。ひとりひとりができることを、少しずつやるだけで大きな支えになると思っています。

――ハウスを利用される方々にとってボランティアさんの存在はとても心強いと思いますが、ボランティアさんも日々ハウスで元気をもらっているのですね。すてきなお話をありがとうございます。

 金子さん支援の輪が広がれば、より多くの子どもたちやそのご家族をサポートすることができます。そのためにまずハウスの存在を知らない方々――特にこれからハウスを利用することになるかもしれない親御さんや若い方々に、もっとこの施設のことを知ってもらいたいです。

小銭を募金する、家で余っている物資を少し送る 「ほんの小さな支援」が役に立つ 

 さらにハウスの運営をサポートするための方法について、ドナルド・マクドナルド・ハウス財団 広報担当の中園さんにもお話をお伺いしました。


ドナルド・マクドナルド・ハウス財団 広報担当の中園さん

 ――マクドナルド店頭の募金箱で集まったお金がどのように使われているのか、今回の取材を通じて学ぶことができました。ハウスを通じて闘病中の子どもやその家族をサポートするために、私たちにできる支援はどういったものがあるのでしょうか?

 中園さんハウスのことを知っていただけて、うれしく思います! 募金以外にも、ハウスをサポートする方法はあります。(1)マクドナルドのレジ前にある募金箱やYahooネット募金などを通じて募金する、(2)ハウス支援のチャリティイベントへ参加する、(3)物資を寄付する、(4)ボランティアに参加する……ハウスをサポートするための方法は現在、これら4つに大きく分けられます。

――11月にマクドナルドで実施されていた、「マックハッピーデー」も支援の一つですよね?

 中園さんはい。マクドナルドで毎年実施されている「マックハッピーデー」は、ハッピーセット1つに付き50円がマクドナルドからハウスに寄付されるイベントです。今年は11月8日に実施され、1日で70万個以上のハッピーセットを購入いただきました。

 また、大会の収益がハウスへ全額寄付される「ドナルド・マクドナルド・ハウス チャリティラン&ウォーク」に参加していただくことも、支援につながります。例年は味の素スタジアムに参加者が集まってわいわい楽しみながらランニングをするイベントでしたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、リアルイベントを実施することは叶いませんでした。ただその代わりにランニングアプリでオンラインイベントを行い、結果としてこれまでリアルイベントに参加できなかった全国の方々にも参加していただくことができました。

 ハウスの運営と同様に、新型コロナウイルス感染症の影響で例年通りといかない部分はありますが、新しい生活様式の中でも支援に参加してもらえるようなイベントを今後も考えていきたいと思います。

 ――単純に募金する以外にも、さまざまな方法で支援ができるんですね。物品を寄付するというのは、具体的にはどういったことでしょうか。食品メーカーの方が食品をダンボールで送ってくださるということでしょうか……?

 中園さん企業の方々からそういった物資をいただくこともあれば、個人の方から送っていただくこともあります。支援というとダンボール何箱分も、というような想像をされるかもしれませんが、自宅で眠っているものを数個、あるいは一個いただくだけでも十分助けになります。各ハウスで必要としている物資のウィッシュリストを公開しているので、ぜひご覧になってみてください。


せたがやハウスのウィッシュリストはこんな様子(2020年12月現在)。他ハウスのウィッシュリストはこちらで見られます

――ハウスをサポートするボランティアになることもできるのでしょうか?

 中園さんはい、参加していただけます。まずはボランティア説明会に参加していただいて、ハウスの説明や業務内容についてご説明した後、ボランティア登録をしていただく……という形をとっています。以前は定期的にボランティア説明会を開催していましたが、現在は新型コロナウイルス感染症対策を考慮してリアルな説明会は開催せず、希望された方ごとにオンラインでのご説明を行っています。ボランティア活動に興味を持っていただけた方は、こちらのページ下部のお問い合わせフォームからご連絡ください。

知ることでつながる”支援の輪” 小さなアクションも心強いサポートになる

――ハウスの運営に携わられている中で、利用者さんやボランティアさんについて、これまで印象に残っていることはありますか。

中園さん一度ハウスを利用された方の多くが「ハウスの存在がとてもありがたかった」と言ってくださり、お子さまが退院された後に年賀状を送ってくださったり、地元でとれたお米などを送ってくださったりする方もいらっしゃいます。元利用者だったお子さんのご家族、あるいは本人がボランティアとして参加してくださったこともあります。

 またせたがやハウスは来年で20周年を迎えますが、親・子・孫の三世代でボランティアに参加しているご家族もいらっしゃいます。

――家族が過去に利用していたり、友達や知り合いがボランティアに参加していたり……ハウスの存在とサポートの意義を知った人から、支援の輪がどんどん広がっていくんですね。

 中園さんはい、まずは支援の輪を広げていくために「ドナルド・マクドナルド・ハウスの存在を多くの人に知ってもらう」ことが重要だと思っています。そして次に大切なのが、「ほんの小さなことでいいので、サポートのための行動を起こしてもらう」こと。大きなアクションでなくて構いません。おつりの小銭を募金箱に入れるだけでも、家にあるタオルを1枚送っていただくだけでも助かります。


エントランスにある「感謝の樹」。寄付をした個人や企業の名前が並びます

 インタビューの時間内で、金子さんも中園さんも「まずはハウスの存在を知ってほしい」と話されていたのが印象的でした。そして、こんなの役に立つだろうか……と思えるような小さな金額の募金でも、物資たったひとつでも、病気と闘う子どもたちとその家族にとっては心強いサポートになるということを話してくださいました。

 昨今ではデリバリーやキャッシュレス決済の利用が増え、店頭の募金箱を見る機会は減ったという人も少なくないかもしれません。ただハウスではいろいろな方法でのネット募金も受け付けていますし、募金ではなく物資を寄付して支援することも可能です。自分に何かできることはあるだろうか? もしそう感じたら、まずは小さな一歩からアクションを起こしてみるのはいかがでしょうか。

提供:日本マクドナルド株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2020年12月31日

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