ニュース

ゲームの個人開発者が細かいこと気にせず広告出してみた結果→大赤字になった実録漫画がためになる(1/2 ページ)

開発もマーケティングも全部独りでやる難しさ。

advertisement

 広告を打てば俺のゲームだってヒットするのでは? と思い立って実行した個人ゲーム開発者が、その失敗談を漫画化。「分かりやすくてためになる」と好評を博しています。

広告を打てば集客は見込める……ただし利益が出るかどうかは別問題

 作者は2019年にスマホゲームアプリ「バッティングヒーロー」をリリースした、Maroru Games(@MaroruGames)の中の人。より多くの集客を求めて、Google広告での宣伝を決めました。

宇宙人のエネルギー弾を打ち返して戦うホームラン競争。バットの強化などをがんばれば、強敵にも勝てる余地があり、プニキほど心を折りに来ない

 かかる費用は1日につき最低でも1万円。しかも最初の1~2週間はAIの学習に食われるため、効果を望むには1カ月はかかると先方は言います。つまり最低でも30万円の出費。

advertisement

 それでも大枚をはたく分のリターンはあるはずだと、作者は出稿を決めます。しかしその時点で既に、大きなミスをしていたと振り返ります。バッティングヒーローの売上しか見ず、マーケティング上で重要な数値を全く把握していなかったのです。

 例えば、「Retention(リテンション/継続率)」という数値。これはゲームアプリの場合、毎日続けて遊んだプレイヤーの割合を指し、「翌日も遊んだ人」は「Day1」、「1週間後も遊んだ人」は「Day7」などと表記します。作者が分析したところ、バッティングヒーローはDay1が25%、Day7が5%と、市場に求められる水準よりもはるかに低い数値だったそうです。

 広告を出してから数日、ただただお金が減っていく状況に焦り、作者は思い出したように分析を進めます。LTV(Life Time Value/顧客から生涯に渡って得られる利益)を算出してみたところ、1人のプレイヤーが始めてからやめる(引退する)までに上がる利益は30円で、CPI(Cost Per Install/1人のプレイヤーの誘致にかかる広告コスト)は130円でした。簡単に言うと、30円を得るために130円払っていたことに……!

 結果的に、広告を出せば出すほど赤字となり、作者は1カ月で30万円を失いました。「真面目に分析さえしていれば、大金を払う前から分かることだった」と反省していますが、「30万円出さなきゃ分からなかったことで、良い投資だったのでは」「『生きた失敗の情報』ってすごくありがたい。よくぞ恥を忍んで公開してくれた」「LTV30円という数字自体はとってもすごい」と、読者からは感謝や激励の声が寄せられています。

作者は第2弾として、パブリッシャーとの交渉で苦労した経験も漫画化しています
作品提供:Maroru Games(@MaroruGames
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  4. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  5. 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  6. プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  7. 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  8. メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  9. 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  10. 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」