ニュース

リニア中央新幹線の列車名は……「富士」? んーどうでしょう月刊乗り鉄話題(2021年6月版)リニア中央新幹線の「列車名」大予想(2)(2/2 ページ)

新幹線の列車名を系統別に分類して楽しく考えてみましょう。

advertisement
前のページへ |       

由緒ある「富士」はリニア中央新幹線に残した?

 このように並べてみると、戦前からある「さくら」「つばめ」「かもめ」など、歴史ある名前はJR九州が集めてしまったように見えます。ブルートレインブームの立役者「みずほ」もJR九州です。「はやぶさ」はJR東日本が取り返した印象ですね。でも、運行区間が南北で正反対になってしまいました。


寝台特急で引退したまま保存されている列車名「富士」

 ところで「富士」が使われていません。伝統ある名前でもあり、ブルートレイン時代は東京と西鹿児島(現・鹿児島中央)を日豊本線経由で結びました。走行距離が1574.2キロ、24時間以上も走るという日本最長距離列車でした。現在、「富士」の名にふさわしい列車がないし、さすがにJR九州も使いづらいでしょう。

 「富士」についてはリニア中央新幹線の愛称として温存されていると囁かれています。日本最高速の列車になりますし、日本を代表する格があります。何よりも富士山のそばを通ります。リニア中央新幹線の列車名として、多くの人が納得できそうな名前です。

advertisement

寝台特急時代の富士・はやぶさ(晩年は途中まで連結していたのでヘッドマークも同居していた)

 しかし私のまわりには「富士は嫌だなあ」という人もいます。理由は静岡県がリニア中央新幹線の工事を認めないこと。静岡県は「ふじのくに」をキャッチフレーズのように使っています。富士イコール静岡県のイメージだと、問題が解決したとしても使いづらい。そもそも静岡県内でリニア中央新幹線は停車しません。また、ほとんどの区間がトンネルで、それ以外の区間も騒音対策のためフードを設置する方針です。車窓からも富士山は見えません。

 リニア中央新幹線に「富士」を使わない場合、どんな列車名がふさわしいでしょうか。

 日本最初の公募結果を活用してみると、現在使われていない列車名は「大和」「鳩」「千鳥」があります。

 この中では「大和(やまと)」が良さそうです。英語表記は「YAMATO」。国内外のアニメファンも喜びそう。公募が行われたらどんな結果になるか、楽しみです。

(続く)

advertisement

 次回は「ひかり・こだま・のぞみ」以外の新幹線列車名のルーツも調査したら面白い事実も……。「野球のスワローズ」のチーム名のルーツってご存じでしたか? お楽しみに。

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。日本鉄道全路線の完乗率は100%(2021年4月時点)

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. 「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
  4. 「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
  5. 餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
  6. 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  8. 放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
  9. 脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
  10. 父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】