「飲むと1日分の記憶が消える薬」を飲み続け…… 嫌なことから逃げ続けた男の漫画が胸に刺さる(1/2 ページ)
逃げた先に何が残るのか。
1錠飲むと1日分の記憶が消える薬を描いた漫画「アイリウム」が、先の読めない展開と胸に刺さるラストで人気となっています。もし手元にアイリウムがあったら、あなたはどうしますか……?
若い頃から、映画監督を目指して自主制作映画を撮り続けてきた「峰雄」。しかし大きな賞は特に取れず、気付けば職歴もないまま27歳になっていました。気持ちばかりが焦る中、恋人との関係も終わりそうな事態に。
そんな状況で同窓会を翌日に控え、自暴自棄気味に知人の「宇堂」の元へ大麻をもらいに行く峰雄。止まった時間の中で精神を癒やしたい……と愚痴ったところ、「アイリウム」という薬を紹介されます。
これを飲むと24時間シラフで過ごした後、その間の記憶が消えて1日先にワープできるとのこと。疑いながらも試してみると、気付けば道の真ん中に突っ立っていました。時間を見ると、丸1日後。出たくなかった同窓会にも、おかしな言動を取ることもなく出席できていたようです。
その効果に、嫌なことがある日はこれを使えば逃げられると目を輝かせる峰雄。使いすぎるとオーバードーズになると注意を受けながらも、瓶ごともらい受けます。賞を取れれば彼女を引き止められかもしれないからと、大きな映画祭の結果をいち早く知るため、1週間分の時間を飛ばせるだけの量のアイリウムを服用してしまいました。
時間が飛び、バイトの帰路にいた峰夫。映画祭の結果も出ているはずと帰宅すると、彼女も彼女の私物も見当たりません。ごみ箱には、映画賞落選の知らせが捨てられていました。
たった3錠の薬で全ての答えを一瞬で知り、同時に全て失った峰雄。それでもつらい瞬間を知らずに済むと、明日の自分へ押し付けるように、そして死に急ぐようにアイリウムを乱用しだします。そしてある時気が付くと……。この続きは、ぜひ漫画を読んで確認してみてください。
この漫画を公開したのは、小出もと貴さん(@koidemotoki)。『アイリウム』はモーニングで2014年に連載された作品で、今回話題を博したのはその第1話「映画監督志望」。単行本では「兵士」「ママ友」などいろいろなシチュエーションの主人公を描いたエピソードが収録されています。
作品提供:小出もと貴さん(@koidemotoki)
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