アトピーを放置したら死にかけた 彼氏と彼女の「感染性心内膜炎闘病記」(3)(1/3 ページ)
退院後に感じた「ここまで回復できたのは本当に運がよかった」。
みなさん、突然ですがアトピーや虫歯を放置していませんか?
アトピーも虫歯もとても身近な病気ですし、わざわざ病院に行かなくても……と思ってしまうのも仕方がないのかもしれません。私の彼氏さんも病院嫌いでアトピーをほぼ放置していましたが、それが原因で一時は重篤に。そして、死亡リスク8%の心臓の手術を受けることになったのです。
これから書くのは、天涯孤独の彼氏さんが「感染性心内膜炎」にかかって退院するまでの、そしてそれをそばで見ていた私、てんもんたまごの闘病記です。
発症から21日目
夕方にICUに向かうと彼氏はおらず、なんと前日の夜に一日早く出ていたそうでした。
苦手なICUに行かずに済んで、ちょっとほっとする私。病室につくと彼氏にはペースメーカーがついていました。初めて見るペースメーカーに興味を抱きつつも、「これは一生つくの? それともいつかは卒業できるものなの?」と不安がよぎります。
この日の夜、つらい気分を変えたくて、生まれて初めて自分でマニキュアを塗ります。帰りにドラッグストアに寄ってマニキュアを購入。爪をパステルカラーのピンクと黄色に塗りました。
なぜ急にそんなことをしたかというと「よく目に入る爪の色が明るかったらもうすこし頑張れるかな」と考えたからです。実際、かわいく塗れた爪を見て、少しだけ癒されました。
発症から22日目
この日はポケモンお見舞いイラストで看護師さんの推し「スターミー」を描いて喜ばれました。看護師さんは大喜びで「毎日見に来ます!!」と元気に言われました。
彼氏は理学療法士さんとリハビリを再開。がんばって歩いてみるも10メートルでギブアップしてしまいました。
発症から23日目
今日は50メートル歩きました。いきなり昨日の5倍の距離を歩いたので「人間の回復力ってすごいな」と心底驚きました。
発症から25日目
スターミー推しの看護師さん、今日担当じゃないのに本当にスターミーを見に来てくれました。
看護師さん「スターミーに癒されにきました!」
私「!? よかったらこの絵、差し上げます!」
看護師さん「家宝にします!」
私「!?」
家宝になるかはおいておくとして、すごく喜んでもらえたようでうれしかったです。
発症から26日目
彼氏はリハビリが進み、車いすでトイレに行けるようになりました。そして「マイクラしたい!!」と言うくらいにまで回復しました。
彼も私もゲームが好きです。「少しでも脳のリハビリになるといいな」と思いつつ、翌日、携帯ゲーム機のPS Vitaと2DSを差し入れます。ターン性のゲームならリハビリ中でもゆっくりプレイできるだろうと思って、ソフトは彼の好きなクロノトリガー、ポケモンなどを持っていったのを覚えています。
また、「マンガを読むのも漢字などを読むリハビリになるかなあ」と思って彼の大好きなマンガ「ダイの大冒険」も差し入れました。私が同作を読むのはこのときが初めてだったのですが、すっかりはまってしまいました。
このころの不安はなんといっても「生活保護が降りるかどうか」でした。
手術費・入院費などはまだ請求されていませんが、介護おむつや嚥下(えんげ)用のとろみ調整剤などの生活雑費が多く、金銭的にきびしかったのです。彼氏は天涯孤独だし、今の状況では仕事どころか日常生活も厳しい状況。「きっと大丈夫」とは思っていたのですが、それでも不安でした。
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