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アトピーを放置したら死にかけた 彼氏と彼女の「感染性心内膜炎闘病記」(2)(1/2 ページ)

「あさって手術をします、今しかないと判断しました」と死亡リスク8%の手術宣告。

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 みなさん、突然ですがアトピーや虫歯を放置していませんか?

 アトピーも虫歯もとても身近な病気ですし、わざわざ病院に行かなくても……と思ってしまうのも仕方がないのかもしれません。私の彼氏さんも病院嫌いでアトピーをほぼ放置していましたが、それが原因で一時は重篤に。そして、死亡リスク8%の心臓の手術を受けることになったのです。

 これから書くのは、天涯孤独の彼氏さんが「感染性心内膜炎」にかかって退院するまでの、そしてそれをそばで見ていた私、てんもんたまごの闘病記です。

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発症から11日目

 この日は、斜め前のベッドのおばあちゃんの娘さんと話し込んでいました。

 リハビリセンターは体力の回復見込みがないと断られてしまうらしいです。「でも面倒を見きれないから自分でできる期間を少しずつのばすしかないのよー」とのこと。「娘さんがいないときも、おばあちゃんリハビリがんばっていましたよー」と伝え、いろいろなことを話しました。

 さて、彼氏のリハビリにはリハビリ用のシューズが必要です。しかしリハビリシューズには彼氏の足のサイズである29センチがありませんでした。そこで29センチのうわぐつを買って代用することになりました。

 うわぐつと言えば小学生以来なので18センチくらいのサイズしか知りません。いざ29センチのうわぐつが届いたときにはびっくりしました。どでかいしおもい。私の知っているうわぐつではありませんでしたです。ちなみに私の足のサイズは22センチなので、自分の靴を横に並べると大人用と子ども用に見えました。

発症から12日目

 朝病室に行ったら「今どういう状況?」と、彼氏。やっと身の回りの状況を理解できるようになったようです。

 右脳の脳梗塞が深刻らしく、この日からリハビリが開始しました。心臓の手術はある程度リハビリをしてからになるそうです。手や足が思うように動かないことは知っていましたが、理学療法士さんに「100ー7は?」と聞かれ、「うーん、うーん、102??」と答えているのを見たときは衝撃でした。

 この日のポケモンお見舞い絵はプラスルとマイナン。プラスルは彼氏に、マイナンは斜め前のベッドのおばあちゃんにあげることにしました。

 この頃の私は今までの人生で一番つらい状況でしたが、翻訳をしたり、待合室でねとらぼの記事を書いたりと、仕事をこなせている自分に驚きました。というより、何かをしている時間の方が楽だったかもしれません。

発症から13日目

 彼氏が死にかけて容体が安定しない、という異常事態。病院の外やTwitterで日常風景が見られることが、すごくありがたかったです。心の支えだったともいえます。

 もしこれが災害中だったなら、どこにも日常がなくて心が折れていたのではないでしょうか。

 せっせと病院でポケモンのお見舞い絵を描いて1週間がたち、いつのまにか周りの人に「あっ新作だ!」「プラスル増えてる!」「推しのスターミー描いて!」と言われるようになっていました。

 しばらくリハビリの日々が続きます。

発症から14日目

 斜め前のベッドのおばあちゃん、せっかく仲良くなったのに部屋が移ってしまいました。「寂しくなるなあ」と考えていたら、娘さんが私に会いに来てくれました。「病室引っ越したけどあなたに会いに来たわよ! 絵のお礼もまだ言えていなかったもの!」。

 ささいなことかもしれませんが、このころの私にとってはすごくうれしい出来事でした。

 彼氏さんは、理学療法士さんとリハビリ中。

理学療法士さん「脳梗塞の影響で左側が動かしにくいようですが、感覚もあるし関節に問題があるわけでもなく、筋肉の伸び縮みができてないだけなのでリハビリの余地があります」

私「へ〜!めっっっちゃ興味深いですね!!!!」

 また、彼氏さんは昨日は引き算もできなかったのに、この日は簡単な計算ができるようになっていました。正直、人ごとでさえなければ興味深いこと・話がたくさんありました。

 彼氏には幻覚がありますが、幻覚は思っていたより生活にささやかに入り込むものらしいです。ポケモンの話をするとポケモンの鳴き声がする、みたいな感じで。

 二人で窓の外を見ているときもこのような会話をしました。

彼氏「『筋肉喜ぶプロテイン』って看板があるけどあれって幻覚?」

私「そんなに愉快な幻覚が見えてんの?」

彼氏「なんだー、幻覚かー」

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