育児放棄された少女が「他人の一生を見られる映画館」に迷い込む漫画 奇妙な劇場に隠された秘密とは(1/3 ページ)
どの映画も娯楽としては単調なはずなのに、どこか少女をとりこにする魅力が。
「知らない誰かの一生」を収めた無数の映画が、孤独な少女を引き込んでいく――。漫画「走馬燈」に描かれた不思議な映画館が、読者の心をも捉えます。作者はtayama(@tayama222/pixiv)さん。
主人公の村上は、親にも社会にも放置された不登校の中学生。母親がたまに置いていくわずかな生活費を頼りに、一日中映画配信を見ながら、引きこもって過ごしています。
しかし、「これらは幸せな誰かに向けた娯楽で、私のためのものじゃない」と気付いたとき、そんな暮らしももう限界に。どこか遠くへ行ってしまいたい――そうつぶやいた瞬間、彼女は見知らぬ映画館に迷い込んでいました。
出迎えた天使が言うには、ここは全人類の記録を上映する映画館「アカシ・Q(キュウ)・レコード」。百聞は一見にしかずとばかりに、スクリーンはある男の生まれてから死ぬまでを、淡々と映し出します。
上映が終わると、天使は映画館の意味を語り始めました。下級天使が編集した映画を、神が読むにふさわしい文字の記録「聖譜」に書き起こすのが自分の仕事。そう言うと、まるで楽譜のような書式で、かの男の人生を1枚の紙へぴったりと収めます。
実在する人間の一生を垂れ流すだけの映画は、たいした起伏もなく、何かが起きてもうやむやに終わる、娯楽としては単調な内容。にもかかわらず、村上は映像をいたく気に入りました。なぜか映画館が自宅の屋上とつながっていたこともあって、すっかり入り浸ります。
動画配信サービスを解約し、新たな生活に希望を得た村上。しかし、久々の外出中に起こった出来事がきっかけで、物語は急激に悲しい事実を表していきます。ラストで明かされる映画館の“真の意味”とは? ぜひ漫画本編でご覧ください。
作品提供:tayama(@tayama222/pixiv)さん
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