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阪急電車の「マルーンカラー」はなぜいつもきれいなの? 竣工50周年の平井車庫で「知られざる裏側」体験してきた(3/3 ページ)

阪急電車の重要拠点「平井車庫」に潜入! 安心・信頼の裏側を見てきました。

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検査のキモは人の目 「マルーンカラー」がいつもきれいなわけ

 約50年前にできた車両が今なお元気に活躍できるのも、日頃の整備のたまものです。阪急電鉄は10日に1回ペースで留置線で列車検査を行っています


検査線にあった作業確認看板。上2つ目からPはパンタグラフ、Eは電気系(エレキ)、Mは機械系(マシン)、Cは車内、作業中か完了かを点灯して知らせる。15はピット番号

重要なパンタグラフはアームやバネのほか、架線に触れるすり板の摩耗具合などを人の目で検査

耐摩耗性のあるカーボン製のすり板は特に念入りに目視チェック。新品で8ミリ、それが2ミリほどまで減ったら交換。年に1回は交換するという

手前が新品、奥が使用後のすり板。一般人目線ではぱっと見、違いはほとんど分からないが、ミリ単位で調べる重要な検査

最も重要な台車、車輪周り、ブレーキも確実にチェック

使用後と新品のブレーキシュー。こんなに厚みが違う

付随車に対して、モーター付きの電動車は電気ブレーキも併用するのでシューの摩耗は少な目。このように車両の仕様や形式に応じて複数種(かたさなど)のブレーキシューを使い分けており、それぞれ色が異なるそうだ

車輪を削って適正な形状に戻す「車輪削正」も、安全と乗り心地に寄与する重要な行程。すり減った1つだけでなく、全ての車輪も削ってバランスを取る

ドアの開閉もチェック

 古い車両は整備が大変そうと思ってしまいますが、実は逆。設備が多い新しい車両の方が整備時間はかかるのだそうです。そして、古い車両は4年に1回、新しい車両は6年に1回、正雀工場へと回送して、台車や制御装置などの分解検査が行われます。

 「車でいうところの車検ですね」(整備担当者)。このとき、マルーンカラーも再塗装されます。日々の検査・洗浄、定期的な検査・整備・再塗装、古い電車も新しい電車ももちろん隔てなく。阪急電車のマルーンカラーがいつもきれいで美しい理由、分かりました!

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 「走っている、利用できるのがあたり前」と思ってしまう公共交通機関。でも、この安心・安全・信頼・快適といったことは、長らく培ってきた絶え間ない努力、取り組みの上で成り立っています。私たちの生活を支えてくれている関係者の皆さんに感謝です。

 最後に、実は気にしていたことを阪急電鉄 検車係長の平田さんに聞いてみました。

 「先頭車に乗ると、つい運転席をのぞき込んでしまいます。これ、もしかして安全運転の邪魔でしたか……?」

 「運転士は信号や踏切など前方・周囲を注視して運転に集中しています。気になってはいないと思いますよ」(平田さん)。

 よかった。運転席を眺める楽しみ、これからも続けて行こうと思います♪

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