JR東日本、山形新幹線「つばさ」を2022年春から全席指定席化 ややこしかった「幹在特」も廃止(1/2 ページ)
値上げ……ではありますが、「始発駅に近い人でないと座れない不公平」もありました。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は11月16日、2022年春に山形新幹線「つばさ」の自由席を廃止し、全車指定席化すると発表しました。併せて山形新幹線「つばさ」、秋田新幹線「こまち」の指定席料金と特急料金も改定します。
山形新幹線の自由席廃止についてJR東日本は、つばさの自由席車両は最繁忙期を中心に混雑が著しく、「自由席に座るために長時間並ばなければならない」「始発駅に近い人は座れる/そうでない駅の利用者が座れない不公平感」「当日まで席の確保が不確実」といった課題を抱えていました。今回の全席指定席化はこの課題の解消が目的です。
2022年春の全席指定席化に沿い、指定席特急料金も見直します。例えば東京~山形間の料金は1万1450円に改定。自由席利用料金より810円高額になりますが、現指定席料金より100円安価になります。
ややこしかった「幹在特」も廃止し、「新特急料金」に統一
指定席料金と特急料金の改定は、フル規格の新幹線区間と、在来線区間のいわゆる「ミニ新幹線」区間を直通運転する山形新幹線「つばさ」と秋田新幹線「こまち」で実施します。
2021年11月現在、新幹線と在来線の区間をまたいで利用する(新在直通の)場合と、在来線区間のみを利用する場合とで在来線区間の料金体系が異なり、複雑でした。改定によってこれを統一します。
具体的には、座席指定料金は新幹線と在来線をまたいで利用する場合、新幹線区間ではプラス530円、在来線区間ではプラス380円がそれぞれ別々に加算されていました。改定後はいずれもプラス530円に統一します。
在来線区間の特急料金も同様に少し複雑でした。「幹在特」の存在です。在来線のみの場合は「A特急料金」ですが、新在直通の場合はA特急料金の約3割引きとなる「幹在特」が適用されました。2022年春の改定で、新たに設定する「新特急料金」に統一し、共通の特急料金が適用されるようになります。
一方、在来線区間のみの利用者には、空いている普通車指定席を利用できる「特定特急料金」を新設します。この料金体系は、同じくミニ新幹線の秋田新幹線にも既に導入されているもの。現行の自由席料金比で同額か最大280円の値下げとなります。
(大泉勝彦)
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