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乗り鉄のイケナイ「夜遊び」 なぜか流行し出した「線内夜行列車」の魅力を探る月刊乗り鉄話題(2021年12月版)(3/3 ページ)

夜通し乗っても遠くへイケナイ「伊豆急行スターナイトエクスプレス21」に乗ってきました。夜行列車の旅は「星空」と「夜明け」がいいんですよ~。

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夜行列車の「夜明けの車窓」は……雨だった

 片瀬白田駅の停車時間は5時48分から6時53分まで。あたりも明るくなって、築堤上のプラットホームから街と海を見渡せます。ここでさわやかな日の出が見えるそうです。日の出時間は6時10分でしたが……やっぱり雨でした。むむむ、残念。


残念ながら日の出は見えず。日の出を観られる「線内急行」は伊豆急だけ。次回に期待

 最後の南伊東駅には7時49分に到着。ツアー参加者は観光バス2台に分乗して伊東温泉ホテルラヴィエ川良へ行き、各自食べ放題の朝食、温泉入浴したのち、自由解散となりました。

 ホテルラヴィエ川良から伊東駅までは徒歩7分ほど。お土産屋さんで自家製の干物や特産の金目鯛の煮物、西京漬を買いました。筆者、肉ばかり食べていたらコレステロール値が上がってしまい、なるべく魚を食べるようにと医者に言われておりまして。あ、そんな話はどうでも良いですね。

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ホテルのビュッフェで朝食を食べて、ツアーは流れ解散

 帰路は踊り子8号で。実は今回、伊豆急夜行列車と合わせて、新しくなった踊り子号とサフィール踊り子を乗り比べようと思っていました。目的は達成して大満足。……いや、悪天候はかなり残念でした。伊豆急行スターナイトエクスプレス21は、名前の通り「星空」がテーマの列車です。水平線からの日の出も楽しみでした。

 天候の都合は仕方ありません。しかし、他の鉄道会社も「線内夜行列車」を運行する中で、伊豆急のウリは「海から日の出をみられる」です。雨天時のお楽しみを用意する必要はありそうです。富士急行の観光列車は、富士山が見えないときに、天気が良ければ見られたはずの車窓写真を見せてくれました。

 そういえば、伊豆急行の2100系には「ロイヤルボックス」という中間車があります。グリーン車に相当し、横3列のゆったりとした座席配置。天井が高く、天井に星空や海底などを投写して幻想的な車内になります。2021年現在は1両のみになってしまったそうですが、これを連結すれば雨天時も車内で星空を鑑賞できたかもしれませんね。次回はぜひ、ロイヤルボックスの復活を望みます。


徒歩で伊東駅に戻ったら、日常の運行に戻ったキンメ電車がもう働いていた。「キンメ電車」も「黒船電車」も、普通列車として走っているので乗車券だけで乗れるのもいい

2100系「リゾート21」先頭車は展望席になっている。シアター風に段差があり、後席からでも眺めが良い

帰路は「踊り子」で、新旧乗り比べるもう1つの目的は達成。おつかれさまでした

「朝の迎え方」に工夫した線内夜行列車の登場にも期待

 夜行列車は文字通り「夜に行く列車」です。しかし、私にとってもっとも大きな楽しみは「朝の車窓」です。

 日の出前の静けさ、始発列車が走る前の街の景色。新聞配達のバイク、早朝にランニングや犬の散歩をする人、早朝の車窓を見る機会はわずかです。始発列車に乗れば見られるとしても、もっと早く家やホテルを出なくちゃいけません。でも夜行列車なら、乗ったままラクに朝を迎えられます。

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 「線内夜行列車」は朝の景色も大切です。今後、「朝の迎え方」に工夫した列車も現れると期待しています。

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。日本鉄道全路線の完乗率は100%(2021年4月時点)

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