「定員30人電車に135人が乗車」 ウクライナ人ダンサーがキエフ脱出をレポート、父親と引き離される少年目撃し「胸が痛む」(1/2 ページ)
「しばらく更新がなくても心配しないで」とマクシム。
ウクライナ系アメリカ人ダンサーのマクシム・チェメルコフスキーが日本時間3月1日にキエフ脱出に至るまでの詳細をInstagramストーリーズで更新。現地の緊迫感が伝わる投稿に、無事を祈る声が集まっています。
マクシムはラテンダンスのチャンピオンとして、米ダンスコンペティション番組「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」に出演。米国を始め国内外での影響力の大きさを生かし、ロシアのウクライナ軍事侵攻開始以降は、Instagramを通じて現地の様子を積極的に伝えていきました。
直前まで爆撃される建物の動画を撮影し「無実の人々が殺されている」と訴えていたマクシムですが、前日2月28日の投稿で国を出る決意をしたと告白。1日の投稿では「ようやく電車に乗れた」とキエフを脱出し、ポーランドへ向かっていることを報告しながら、駅の様子は「尋常ではない」とし、また自身も「リュック1つを背負った成人男性でしかない」と無力感をつづっています。
マクシムによれば電車内は決していい環境とはいえず、本来であれば3人用のキャビンに大人4人と2歳から11歳までの子ども7人が詰め込まれているとのことです。また車内は汗臭く、通路を含めて満員状態で定員30人の4倍を超える135人が乗車していると自身が耳にした情報を説明しています。
緊迫した脱出劇を細かにつづる中で、最も自身が打ちのめされた経験として「父親と離れたくないと泣きじゃくる8歳ほどの少年の姿を見たことだ」とマクシムはコメント。ウクライナでは現在、国民総動員令がしかれ18歳から60歳の男性市民の出国が禁止されています。少年の父親がこれに該当するかには言及していませんが、少年は「パパが残るなら自分も残る、そうでなくてはやつらが殺しに来てもパパを守れない」と泣いていたとマクシムは明かしています。
マクシムはこれまでロシア軍による爆撃や炎上する市街地に加えて、避難中に軍事攻撃によって亡くなった市民の様子などショッキングな場面を次々と世界へ発信し、支援と攻撃の中止を訴えてきました。米国を拠点とする彼の投稿のコメント欄には「無事に帰ってきて」「どうか気を付けて」と無事の帰還を願う友人たちの他、「ロシア人として本当に申し訳ない思いでいっぱいです」「無実のロシア人も戦争に引きずり出されている。こんな戦争、早く終わらせてほしい」とロシア人を名乗るユーザーからの声も目立ちました。
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