本物の犬だと思った……! 人間が犬になれる着ぐるみがリアルすぎて話題 制作スタジオに話を聞いた(1/2 ページ)
本物の犬だと思ってしまった人も。
「動物になってみたいという夢を叶えることができました!」。そんなコメントとともに、リアルなコリー犬の着ぐるみが動く様子の動画がTwitterに投稿され、大きな反響を呼んでいます。え、これ本物の犬じゃないの……?
コリー犬そっくりの着ぐるみは、四本足で立ち、口を開け閉めしたり、横倒しになったり。犬のような動きをしたかと思えば、カメラ目線で口を動かしたり、手を振ったりと、動画を見ていると何とも不思議な気持ちになります。
投稿者であるトコ(@toco_eevee)さんは、「映像制作会社ブラスト」が運営する「特殊造型スタジオ ゼペット(Zeppet)」(以下、ゼペット)に依頼し、着ぐるみこと「犬の造型スーツ」を作ってもらったとのこと。
ゼペットでは、動物や虫など実際に存在するものや、想像上の生き物、ロボットをリアルに表現する特殊造形や、本物の動物のように動くロボット、アニマトロニクスなどを手掛けています。今回の犬型スーツは40日間かけて制作したもので、お値段は200万円から(※犬種やサイズにより変動)。
編集部では、ゼペットに特殊造型づくりのこだわりなどを聞いてみました。
――リアルな動物を作る依頼はよく来ますか
ゼペット 動物制作の機会はとても多く、さまざまな種類の動物を制作しています。着ぐるみだけではなく、リアルな動物マスクやパペットなども作ります。映画、CM、TVなど法人に留まらず、個人からの依頼もあります。ゼペットの制作物の中でも得意ジャンルの一つです。
一例としては、「ANIMALS AS ART」という、実物大のシロクマ親子の造型美術品があります。剥製とは異なり、最新の特殊造型技術で、毛素材や爪、歯等の硬質素材、触れた時の質感まで徹底的にリアルなクオリティーを追求して制作しています。価格は約1400万円と、高級美術品ほどの価値のある逸品です。
――個人からの特殊造形の依頼は多いですか
ゼペット 映画やCM用の造型物といった法人様からのご依頼が多いですが、個人様からのオーダーも承っています。自社企画である「クローンワンコ」は究極の個人オーダーメイド製品で、亡くなった愛犬をそっくりに再現する造型美術品です。
シロクマ親子と同様に長年培った弊社の特殊造形技術が随所に発揮されていて、ご依頼主様にも大変喜ばれています。
――今回の犬の造型スーツについて、技術的にこだわった点を教えてください
ゼペット 人間の骨格の上に、犬の骨格を再現できる様にした点です。人間と犬では骨格の構造が大きく異なるため、どのようにすれば「犬」に見えるかについては、特に時間をかけて検討を重ねました。
また、コリーの美しい毛並みを再現できるよう、いろいろな角度から撮影された写真を集め、自然な毛並みになるよう工夫しています。
SNS上の反響については「正直予想していなかったのでびっくりしてます」と回答したゼペット。しかし、企業(法人)からの依頼が多いということは、私たちは映画やテレビCMなどで知らないうちに制作物を目にしているのかもしれませんね。
投稿には「すごい、リアル」、「すごくかわいくてすてきです!! なでなでしてみたいです」など、完成度を称える声が多数寄せられていました。また、「愛犬ではなくトコさん自身なのですか?!」、「おてて伸ばすところまで本物だと思ってた」と、本物の犬だと思ってしまった人も。さらに「Cool」、「Oh wow. Such a great suit」と海外からも注目も集めていました。
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