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ドイツのビール文化と日本のコスプレ文化が融合!? ドイツのアニメファンイベント「aniMUC」に行ってきた(2/3 ページ)

オクトーバーフェストですか? いいえ、アニメのイベントです!

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ドイツのアニメ・漫画事情を聞いてみた

 「ドイツのアニメファンは配信だけでは満足しない人も多い」と語ったのは、「クレヨンしんちゃん」のDVDを販売するPolyband(ポリバンド)のブーススタッフ。同社が英BBCのテレビドラマ「ドクター・フー」のディスク版をドイツで販売して気づいたのは、テレビで放送されたにも関わらずディスク版を購入するコレクターの存在。アニメ分野でも同様にディスク版の需要を見込んでいます。


「クレヨンしんちゃん」をリリース中のポリバンドは旧作にも注目

 「今年7月には10店目となるケルン店がオープンします」とアピールしたのはグッズ販売会社のManga Mafia(マンガ・マフィア)。もともとはイベント販売専業でしたが、コロナ禍でイベントが禁止された結果、すぐさま1号店を立ち上げました。以来、ドイツ各地に積極的に出店しています。


マンガ・マフィアは今後はイベント出店とリアル店舗の両方を展開していく方針。今の課題はスタッフ不足

 「持ってきたお小遣いは300ユーロ。マンガやフィギュアを買いました」と話してくれたのは、「鬼滅の刃」のコスプレをしたクラウディアさんとアンナさん。物販エリアではグッズを大量に買い込んでいる人たちも多く見かけました。

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2人は地元バイエルンのアニメファン。左がクラウディアさん、右がアンナさん

物販エリアで見かけた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。コスプレイヤーとの出会いは一期一会

 ドイツではボーイズラブ(BL)漫画も人気です。アーティストアレイで隣国オーストリアのウィーンから参加した漫画家のSlippedDeeさんにドイツ語圏の状況を聞いてみました。「たしかに日本語から翻訳出版されるBL漫画は増えましたが、一方でドイツ語圏の描き手はここ10年減少しています」とのこと。また、「近年はLGBTといった政治運動の要素が強くなり、BL漫画に政治を持ち込まないでほしい」と思っているそうです。


BL漫画を描いて18年というSlippedDeeさん。影響を受けた漫画家は井上雄彦さん(『スラムダンク』『バカボンド』)など。

「バイエルンではビールは主食!」

 今年は3日間で8000人以上が参加したアニムック。その実行委員会にも話を聞きました。アニムックがスタートしたのは2008年。イベント名は「アニメ」とミュンヘンの空港コードMUCからなる合成語です。感染予防対策については、屋内に限ってマスク着用をルール化。ソーシャルディスタンスの確保を呼びかけ、混雑が予想される一部の通路は一方通行にしました。また、ルールを決めるために、先ごろ開催された日本の「冬コミ」も参考にしたそうです。


アニムック実行委員会のローマンさん(左)とオリバーさん(右)

 取材中に筆者が気になったのは、ビアガーデンでビールを飲むコスプレイヤーの皆さん。他のイベントでは見られない光景です。これについて実行委員会の2人は、「ここバイエルンではビールは主食です。女性やコスプレイヤーもビールを飲むのは普通です」と語る一方で、イベントではそもそもアルコールは禁止していると教えてくれました。ビアガーデンは同じ元修道院の敷地内ですが、イベント会場とは隣接こそしていますが会場の外側にあります。

 印象的だったのは、ビールを飲むコスプレイヤーを「ドイツのビール文化と日本のコスプレ文化の融合なのかもしれません」と表現していたことです。ドイツでもイベントが再開しつつある今、こういうところにも国際交流のきっかけはあるのかもと思った筆者でした。


ビールを飲みながらイベント再開を喜ぶドイツ各地から集まったアニメファン。日本から参加して一緒にビールを飲んだら楽しいはず

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