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広瀬香美も思わず反応、VRChatで撮影された「ロマンスの神様」フェイスダンス動画が大ヒット 145万再生の裏側を作者に聞いた(2/3 ページ)

タイムラインで見た人も多いはず!

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ミームと化した「ロマンスの神様」

── 「ロマンスの神様」について教えてください。こちらの収録時間はどれくらいだったのですか。

Lein.:正直言って、10分です(笑)。笑点と違って参考にするものがなく、自分のアイディアとフィジカルだけでやったからさらに短くなりました(笑)

 しかもVRChat内で友達に会いに行く時の隙間時間で撮ったんです。VRゴーグルをかぶって、動画撮ってから待ち合わせ場所にいこうみたいな感じで、カメラを置いてちょっと踊って、録画できたオッケー。じゃあ遊びにいこう。そしてVRゴーグルを外して編集して投稿したら、どーんと再生数が伸びて(笑)。「ロマンスの神様」は、本当に何気ないの極地なんですよ。こんな伸びるもんじゃないぞと(笑)

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── それぞれの表情をベストなタイミングで切り替えながら踊るって、何気ないことだとは思いませんよ!? Lein.さんが培ってきた技術だと感じます。

Lein.:こんちゃんは他のアバターと比べて顔が大きく、一番目立つところなんですね。だから表情を動かすのがこんちゃんの醍醐味であり、大前提かつ美味しいところだろうと思っているんですよ。でも正直言って、そんなに顔がクルクル動くのがスゴいっていう褒め方されたことに衝撃を受けちゃって(笑)

── 美少女というか、幼女としての可愛さのこんちゃんを見てる人が多く、目をキラキラさせているところばかり見てきたのかもしれません。

Lein.:ここまで再生数が伸びたことの理由に、こんちゃんの可愛いさがあったからこそというのは確かにあると感じています。アバターを作ってくれたmidoriさんに感謝しています。

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── 二次創作の形で、他の方がMMDのモーションデータを配布する事態ともなりました。新しいミームが生んだことにどう感じましたか。

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Lein.:実は、「冬の花」(宮本浩次「冬の花」MVの二次創作)を公開したときにもMMDで再現してくれた方がいたんですね。自分の作ったものに対して感銘を受けてもらえるのは嬉しいことですし、今回も再現して、ニコニコ動画で投稿してくれる人がいるんだ。嬉しいなーって思っていました。でもそこまで深くは考えてなかったんです。

 そのあと寝る前に、スマホでちらっとニコニコ動画を見たらぶわーって!(笑)何これ!?と。いや、まさか2~3時間で、20~30もの動画が作られるとは思わなくて。それがいまや(7月12日現在)まさかの300作品ですよ。

── しかも、VRChatやMMDを飛び越えてリアルの人々も真似しはじめました。TikTokの文化と繋がったという印象があります。

Lein.:VRChatとMMDって過去に色々あったのですが、それでもMMDのクリエイターでフェイスダンスのモーションを使ってくれる人がたくさんいるのを見て、つながってんだなーと思って感動しました。

── 橋渡しをしたというか、Lein.さんが橋そのものになったわけですね。

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そして広瀬香美さんがレスする事態に

── そして複数のSNSでバズり、多くの人がLein.さんとLein.さんの動画を知り、ついには広瀬香美さんにまで届きました。

Lein.:「カレーパンが取れないこんちゃん」や、「なすandロポの笑点」など、今までにも何回かバズって多くの人に見てもらってきたのですが、今回は、原曲の広瀬香美さんまでTwitterで言及していて、もう心臓がきゅーーーってなりましたよ!(笑)

 あくまで自分の趣味であり、原作者の方とは遠いところでやっているつもりだったんで、嬉しい以前に恐ろしかった(笑)。許してもらって本当によかったって感じですし、しかもシェアまでしてくれましたし、VRChatにも来るというし、自分の動画をみてQuest 2を買うと言っているし、フットワーク、軽っ!(笑)

 広瀬香美さんは新しいものに強い人なんだなーって改めて思いましたね。また小林幸子さんしかり、サブカルチャーに寛容な方なのかもしれないと感じました。

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── そもそも「ロマンスの神様」のMVを作るきっかけは何だったのですか。

Lein.:踊りやすかったっていうのが一番ですね。リズムに合わせてズンチャッチャと踊るので、ロマンスの神様は本当にやりやすかったんです。で、トドメにキャラクター同士のやりとりを入れたかったんです。最後の「この人でしょうか」のフレーズで、こんちゃんがなすちゃんを指さして、なすちゃんが「私じゃないよ!」と手をふるところが挟めるな、と気がついて「これだー!」となったんですね。あれは奇跡的にかっちりハマりましたね。

── たくさんの日本の曲がある中で、「ロマンスの神様」を思い出せたっていうのは、それこそなにかの神様が降りてきてくれていたとか。

Lein.:神様っていうか、これに関しては家庭のおかげというか……。自分の親が自分の趣味を息子に見せるタイプだったんです(笑)。その趣味の1つが80年代90年代の歌謡曲。広瀬香美さんだけではなく、槇原さんとか平井堅さんの曲を聴いて育ちましたし、自分が生まれる前の「赤いスイートピー」(松田聖子)も歌えますし、中森明菜さんの事は明奈ちゃんと呼びますし(笑)

── 失礼ながら、お年はおいくつぐらいでしょうか。

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Lein.:まだ30歳にはなっていません。リアルタイムでの黄金時代を知っているのは杉浦太陽だけです(笑)。友達からは趣味が古臭いっていわれるんですよ。好きなテレビ番組はウルトラセブン、好きな漫画はパタリロですから(笑)

── 家庭内カルチャーが本当にすごい(笑)

Lein.:親のおかげで、幅広く網羅できるようになったってのはありますね。逆に親が知らない「香水」(瑛人)やAdoさんの曲など、現代だからこその作品も受け入れられているというのもあります。そういう意味でも親の教育の賜物です(笑)

── VRChatとMMDの架け橋になるんじゃないかと思っていましたが、新しい世代に古き良き日本の歌謡曲を伝える伝道師にもなりえるのでは。

Lein.:ああ、でもTikTokで古い曲が流行っていたりするんですよね。以前は「め組のひと」(ラッツ&スター/倖田來未カバー)も流行っていました。ただ、誰が歌っているかまで掘り下げてはいないかも。その部分は、自分が架け橋となれるところかもしれません。

 

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