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物体の“向こう側”が透けて見える不思議なカードが話題 古典的な仕掛けで研究者が伝えたいものとは(1/2 ページ)

カード自体は100年以上前からある仕掛け。それを応用すると、もっとすごいことに。

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 大学教授の宮下芳明(@HomeiMiyashita)さんが、普段の研究内容を人に伝えるべく携帯しているという、不思議なカードが話題です。ペンにかざすと、向こう側が透けて見える……!?

かざした部分だけペンが消え、向こう側のしま模様が透けているように見える(画像提供:宮下芳明さん)

 宮下さんの投稿に写っているのは、折りたたみ式スマホに載せたペンに、半透明のカードをかざした様子。カードをかざした部分だけペンは消え、向こう側にある壁紙のしま模様が透けているかのように見えています。

こちらも同様に、ペンが消えて代わりに手指が(画像提供:宮下芳明さん)

 「何これどうなってるの?」「光学迷彩だ!」と驚きの声を呼んだこのカードですが、実はこれ自体は宮下さんの研究でなく、100年以上前に発明された「レンチキュラーレンズ」。かまぼこ状の凸レンズを列にしたもので、身近な例では、お菓子のオマケなどでよく見る「傾けると絵柄が変わるシール」がこの仕組みです。

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凸レンズの列を通して奥の像を見るため、角度によって見え方が変わる(日本印刷のサイトより)

 宮下さんが示した例では、レンチキュラーレンズで光が屈折し、中央のペンまわりは像が圧縮されて見にくい状態に。その代わりに上下の模様が、ペンがあった場所を埋めるように写り込んでいたわけです。

 宮下さん本来の研究は、レンチキュラーレンズを応用した「可食光学迷彩」。その過程で、見る角度によって色が変わったり、一見すると無色透明なのに、切ると中の具が現れたりと、不思議なスイーツが生まれています。

 これはゼリーの表面を、レンチキュラーレンズ状に加工して実現したもの。光が屈折して見えにくくなっていた具が、レンズ状の面を切り離して平面にすると見えてくるわけです。

 こうした研究内容が口頭では伝わりづらく、市販の小さなレンチキュラーレンズを携帯して説明していたとツイートしたところ、「なぜかフォロワー外まで波及し、反応がありすぎて驚いている次第です」と、宮下さん。宮下研究室はほかにも、「なめると画面上の料理の味がするテレビ」や、「減塩食を濃い塩味に感じさせる食器」など、食に関する研究で注目を集めています(関連記事12)。

協力:宮下芳明(@HomeiMiyashita)さん

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