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「8億円売れているどんでん返し!」ミステリー小説の帯が物議 「雰囲気が台無し」「ネタバレでは」 出版社の意図は(1/2 ページ)

版元の新潮社に意図を聞きました。

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 「8億円売れているどんでん返し!」――ミステリー小説『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫)の帯に載せられた、売上をアピールしたコピーが物議を醸しています。作品の好評ぶりが分かりやすいといえば分かりやすいのですが、それを金額で示されるとモヤモヤするような……。

良くも悪くも分かりやすすぎる帯(画像提供:さん)

 『向日葵の咲かない夏』は、道尾秀介さんが2005年に発表した小説。首つり死体で発見されるも、こつぜんと姿を消した友人「S君」の事件を追う、小学4年生の夏休みを描いています。

 ミステリアスでショッキングな内容とは裏腹に、現行の帯は前述のように俗っぽい印象。「どんでん返し王・道尾秀介の最どんでん返し!」「8億売れた面白さ、体感してください」と、とことん「8億円」と「どんでん返し」を押しています。

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 この主張の激しい帯は、「最悪すぎる。小さいころから好きだった小説なのでウッとなってしまいます」と嘆くツイートがもとで広く拡散。「この物語の陰鬱な雰囲気が大好きなのに……台無し」「金額で言われてもドン引きする人多そう」と共感を呼びました。

 「どんでん返し」の連呼が、「ネタバレになる」といった指摘も多数。確かに、その先入観を植え付けられると、読み手としては「どんでん返しがいつくるか」と身構えてしまい、素直に物語を楽しめなくなることはままあります。

 「帯自体はインパクトがある」「未読の人が手に取りやすくなる効果はあるかも」「こちらの想像を超えてくるので、『どんでん返し』はネタバレにはならない」といったポジティブ寄りの意見もあるものの、賛否でいえば否が目立つこの一件。ねとらぼ編集部は新潮社に、帯の意図や反響について聞きました。

―― この帯はいつごろから採用していますか。また、これ以前の帯はどのようなものだったのでしょうか

新潮社 2022年3月から採用しています。前回の帯は「累計100万部」を表記していました。

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―― このデザインに決めた理由や背景を教えてください

新潮社 前回の帯は10年以上使用しているため、営業部として編集部とも相談の上、変更を検討しました。多くの人に読まれていることを実感してもらえるような内容にしました。

―― SNS上では帯について賛否さまざまな意見が見られますが、このような声をどう受け止めていますか

新潮社 今後も読者の皆様に本を届けられるよう、さまざまなアピールを検討してまいります。

『向日葵の咲かない夏』書影(公式サイトより)
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