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「バイト先に庵野秀明来てやばい」ENEOS店員が投稿 著名人の来店漏らす“バイトテロ”はいかに防げるのか(1/3 ページ)

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一さんが対策を解説。

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 「バイト先に庵野秀明来てやばい」――。6月初めに、あるTwitterユーザーが投稿した内容だ。当該ユーザーは続けて「マジで嘘じゃないから信じて欲しい」「信じてもらえないかもだけどマジ。接客の段階から庵野かもしれないって思ってた」とも投稿した。また、ツイートには来店時の車種のほか、添付されたレシート画像にはクレジットカードの種類や署名まで載っていた。

 言うまでもなく、この投稿はプライバシーの侵害であると批判を浴びることとなる。その後、当該投稿だけでなく、ユーザーのアカウントも削除された。さらに、レシート画像の内容から勤め先がENEOS系列のガソリンスタンドであることまで特定され、ENEOS広報部広報グループがメディアの取材を受けて謝罪するに至った(関連記事)。

著名人の来店明かすバイトテロはこれが初めてではない

 いわゆる「バイトテロ」の一種であるが、実はこのように従業員が著名人の来店をSNSで漏らしてしまう事例は枚挙にいとまがない。

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 例えば、2016年にあるTwitterユーザーが女性アイドルがいたと投稿し、本当かどうか聞かれた際に「帝国ホテルで俺働いてるんだけどいたよw何やってたのかは知らんけどwww」と返答して批判が殺到したことがある。その後、帝国ホテルが業務委託先企業従業員による不適切な書き込みがあったことを認め、謝罪した(関連記事)。同様の炎上は、2011年にウェスティンホテルでも起こっている(関連記事)。

 また、2013年に医療系の専門学校生が、実習先の病院でサンフレッチェ広島に所属するサッカー選手のカルテを見たとSNSに投稿し、炎上したこともある。学生は守秘義務違反が問題視され、内定を辞退することとなった。

 著名人に遭遇すると、ついテンションが上がってしまい、それを共有して自慢してしまいたくなるのは当然の心理だ。そしてSNSの普及した現代社会では、それを非常に簡単に、世界中の誰もが見える形で実現できてしまう。その結果、このような事例が後を絶たなくなったと言えるだろう。

 だが、このような投稿は大きな問題をはらむ。最も分かりやすいのがプライバシーの侵害だ。プライバシーの侵害とは、自分の行動や位置といった私生活や個人情報が、同意もなしに共有されたり公開されたりすることである。刑法上の罰則はないが、民法上の責任はある。そして著名人も例外ではなく、プライベートな時間は尊重されるべきである。

 もちろん、勤め先に被害を与えることにもつながる。顧客のプライバシーが尊重されていない店舗やその運営企業に対しては、顧客が不信感を抱くであろう。その結果、企業の信頼性や評判に悪影響が出る可能性がある。

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