宵の明星・金星が「最大光度」に。ひときわ美しい姿を堪能しましょう
夕空で君臨してきた金星が、光度のピークを迎えます。鋭い輝きを放ち、その後は高度が徐々に下がり、やがて視界から消えていきます。今だけの美しい姿を楽しみたいですね。20日におこる金星と三日月の接近には、火星と水星も加わり西の空を華やかに彩ります。
今回は、7月に注目したい星空情報をご紹介します。
【7月7日】金星が最大光度に。満ち欠けし、明るさを変える金星
宵の明星・金星が、7月7日に「最大光度」となります。この頃にはマイナス4.7等に達し、日没後の西の空で圧倒的な輝きを放ちます。
金星は地球の内側を公転している「内惑星」。惑星が地球から見て太陽と同じ方向にあることを「合」といい、このときは地球からその姿を見ることはできません。内惑星の場合は、太陽より近くを通る「内合」と、太陽を挟んで遠くを通る「外合」があります。
惑星は太陽光を反射して輝いているため、太陽に近い内惑星は月と同じように満ち欠けして見えます。また、地球からの距離が大きく変化するため、見かけの大きさ(視直径)も変化します。「最大光度」の頃の金星は細く欠けた形ですが、視直径は「外合」の頃に比べて4倍近くも大きく見えるため、最も明るく見えるのです。
【7月12日】夜明け前の空で、月と木星が大接近
夜半頃に地平線から昇ってくる木星。12日には、月を追うように木星が姿を現し、並んで夜空を昇っていきます。下弦を過ぎた月とマイナス2.2等の明るさで輝く木星は、未明の東の空でひときわ目を引くでしょう。東京の空では、日の出を迎える1時間ほど前に、月と木星は最も近付いて見えます。
【7月20日】西の低空で、幻想的な細い月と3惑星が集合
日の入り後、西の低空で月と金星が接近して見えます。最大光度を迎えて明るく輝く金星と細い三日月が並ぶ姿は、印象的な光景となるでしょう。日の入り30分後の金星の高度はかなり低くなるため、西の方角に視界が開けた場所から眺めたいですね。
近くには、マイナス0.4等の水星と1.7等の火星の姿があります。金星を目印に、水星は右側に、火星は左手上方に位置しています。薄明の空で淡く輝く2つの惑星を探してみましょう。
光度のピークを迎えた金星は、急速に高度を下げていきます。7月下旬を迎える頃には見えにくくなり、「内合」となる8月13日には夕空から姿を消します。
- 参考文献 『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
- 参考サイト 国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年7月)」
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