「めちゃくちゃわかりやすい」　すかいらーく、外国人採用ページに「やさしい日本語」導入で話題　ねらいを聞いた（1/2 ページ）

　「ガスト」「バーミヤン」などを展開する外食大手・すかいらーくHDの採用情報サイトに設けられている外国人向けの特集ページがSNS上で話題を呼んでいます。平仮名を交えた「やさしい日本語」で表記が統一され、外国人に読みやすい仕様になっています。ねとらぼ編集部はすかいらーくHDにねらいを聞きました。

　すかいらーくHDの採用情報サイト「すかいらーく　キャリア」のパート・アルバイト向けページには、学生向け、主婦／主夫向け、シニア向けなど、ターゲットに応じた特集ページが設けられています。その中でも外国人特集向けページは、多様な国や地域の出身者が理解できるような工夫が施されています。

　例えば「色（いろ）んな　外国（がいこく）の方（かた）が　働（はたら）いています」「日本語（にほんご）が　勉強（べんきょう）できます」「仲間（なかま）や　せんぱいが　優（やさ）しく　教（おし）えてくれます」などと、仕事内容の説明には全て平仮名のフリガナが振られています。

　さらに「ご飯（はん）が　1食（しょく）356円（えん）で　1日（にち）2回（かい）まで　安（やす）く食（た）べられます」「家（いえ）から　店（みせ）までの　電車（でんしゃ）のお金（かね）が　1か月（げつ）　最大（さいだい）で　2万円（まんえん）まで　もらえます」と、福利厚生についても分かりやすく説明されています。

　また、実際に働いている人を写した写真には国旗が掲げられ、どこの国の出身者なのか一目で分かるような仕組みになっています。

　ページに施された工夫の数々に、Twitter上では「めちゃくちゃわかりやすい」「こういう取り組み増えると良いですね」「すごいなあこれ」「人への優しさやリスペクトも感じる」と称賛が集まりました。

すかいらーくのねらいは

　すかいらーくの広報担当者によると、外国人向けの特集ページは2022年4月に設け、2023年5月に現在の形へリニューアル。改修にあたっては、当初は長かった説明文を削除し、内容を半分に絞り、文字は簡単な漢字と平仮名を主としたわかりやすい表現に変更したといいます。また、店舗で働く外国人アルバイトや、外国人アルバイトを採用している店長などにも、ヒアリングを行ったとしています。

　担当者は「テーブルサービスレストランを運営するうえで安定的な人財の採用と長期に活躍いただける人財育成に力を入れております。多様な人財に活躍いただく上で、外国籍の方々が働きやすい環境を整備する事の重要性を感じており、応募される方にわかりやすいホームページの見直しを進めてまいりました」と、ページ強化のねらいを伝えます。

　同社では多くの外国人が働いており、2019年には3000人近い外国人従業員が在籍していました。COVID-19（新型コロナウイルス感染症）の影響で2020年～2021年は減少したものの、2023年は前年比で110％ほどの在籍者数となり、増加の兆しが見えています。

　飲食店特化のリサーチサービス「飲食店リサーチ」を運営するシンクロ・フードが2023年1月～2月に飲食店経営者などを対象に行った調査によると、飲食店の従業員数について全体の42.9％が「不足している」と回答（回答数は415）。飲食業界全体で人手不足が叫ばれる中、外国人労働者の確保は課題となっています。

　すかいらーくは採用ページの強化以外にも、16か国語対応のトレーニングツールの導入、配膳ロボット稼働による業務内容の平易化などを行い、外国人が働きやすい環境の整備を図ってきました。

　また、2023年4月にはトレーニングセンターを開設し、外国人の応募者が多い首都圏で、外国人面接官による外国人向けの合同面接会の開催や集合研修を開催しています。担当者は「日本語がまだあまり話せない応募者の方々も外国語ができる採用スタッフとのコミュニケーションにより安心していただける、また複数の外国人の方に出会える機会となり、応募者同士の安心感にもつながっています」としました。