ニュース

「X(Twitter)のロゴはフリーメイソンのシンボルに似ている」 荒唐無稽な陰謀論に人々が熱狂する理由(2/3 ページ)

陰謀論に詳しいライターの雨宮純さんが解説。

advertisement

陰謀論に一部の人々が熱狂する理由

 話をロゴと陰謀論の関係に戻そう。

 ロゴをはじめとしたデザインに証拠を見いだす行為に陰謀論者たちが熱中するのは、それが退屈な日常を刺激的な陰謀論に直結させるスイッチになっているからだ。この構造は以前解説した、アメリカのバイデン大統領など、多くの著名人を「ゴム人間」だと思い込む「ゴム人間陰謀論」でも同様である(関連記事)。

 陰謀論の思考回路を脳にインストールすると、街中で見かける看板は秘密結社や悪魔崇拝の印となり、単なる顔写真がゴムマスクの証拠に変貌してしまう(「なぜわざわざそんな目立つ場所に証拠を隠しているのか」とツッコんではいけない。とにかくそうなっていると思い込むだけで気持ちが良いのだ)。

advertisement

 日本でも出回っている例で挙げると、「某回転寿司チェーンは一部の皿の中央にピラミッドを思わせるマークがあり、フリーメーソンの寿司屋」「某カフェチェーンは創業当初のロゴを逆さにすると悪魔に見えるため、悪魔崇拝のカフェ」「某エナジードリンクのデザインは、ヘブライ数字で見ると666になるので、これも悪魔崇拝(デザインに遊びとして入れている可能性はあるが、悪魔崇拝ということにはならないだろう)」などなど……。

街中の風景も陰謀論の思考回路を脳にインストールすると違って見えてくる(画像はUnsplashより)

 このような陰謀論を受け入れると、あらゆるものが壮大なストーリーの証拠になり、生活で得られるさまざまなものを快楽に変換できるようになる。SNSで流れてくる投稿を読んでいるだけで「世界の真理」を知り、自分自身があたかも「人類を救う正義の戦士だ」と思えるようにもなるのだ。

 個人で陰謀論を楽しんでいる分には目くじらを立てることもできないが、それを拡散するとなると企業などに大きな損失を与える可能性があり、訴訟をはじめとした思わぬ騒動を起こすことにもなりかねない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  2. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  3. 海で“謎の白い漂流物”を発見、すくいあげてみると…… 2億1000万再生された結末に「本当によかった」「ありがとう」【チュニジア】
  4. スーパーで売っていた半額のひん死カニを水槽に入れて半年後…… 愛情を感じる結末に「不覚にも泣いてしまいました」
  5. 難問の積分計算をホワイトボードに書き置きしておいたら……? 理系大学での出来事に「かっこいい」「数字でつながる感じいいな」の声 投稿者にその後を聞いた
  6. 「うおおおおお懐かしい!!」 ハードオフに3300円で売っていた“驚きの商品”が140万表示 「ガチのレアモンや……」
  7. 夫妻が41年ぶりに東京ディズニーランドへ→“同じ場所”での写真撮影時に「キャストの粋なサポート」明かす
  8. 「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
  9. ワゴンに積まれていた“980円の激安デジカメ”→使ってみると…… まさかの仕上がりに「お得感がすごい」
  10. カマキリを操る寄生虫「ハリガネムシ」食べてみた 未知すぎる“衝撃的な内容”に震撼 「正気を疑う」「鳥肌立ったわ」