大塚明夫、玉山鉄二の“かっこよさ”に「嫉妬した」 アニメと実写の「次元大介」が対談、男もほれる男の魅力を語る
次元の新たな一面を描く新作が誕生。
Amazon Original映画「次元大介」が10月13日からプライム会員向けに世界独占配信。いわずと知れたモンキー・パンチ原作の人気コミック『ルパン三世』を基にした実写化作品で、俳優の玉山鉄二さんが9年ぶりに次元大介を演じています。
1967年の原作連載開始以来、愛銃コンバット・マグナムを手にルパン三世と世界各地を駆け回ってきた次元。映画「次元大介」は完全オリジナルストーリーで、コンバット・マグナムの不調から次元が訪れた街で出会った少女“オト”を救うため、真木よう子さん演じる元殺し屋のアデルに立ち向かう物語。長らくルパンシリーズをプロデュースし続けてきたトムス・エンタテインメントとAmazonスタジオの共同製作です。
ねとらぼでは、主演の玉山さんと、アニメシリーズで次元役を演じる大塚明夫さんにインタビュー。2人が抱く“次元大介”像や、この日初対面だというお互いの印象を聞きました。
無駄のなさに魅せられる 次元を演じた男たちが語る、次元大介のかっこよさ
―― お二人の共通点“次元大介”についてお聞きします。単刀直入に次元のかっこよさとは何だと思いますか?
玉山鉄二(以下、玉山) 無駄がない、いわゆる“すごくシンプルな男”ということ。そこがすごく好きです。「男である以上、こういう男になりたい」と願望があればあるほど何か付け足そうとやりがちですけど、次元は逆。何かを切り捨てられる、本当に無駄がない男って魅力的じゃないかなと思います。
大塚明夫(以下、大塚) いつ命を落とすか分からない世界に生きているからか、必然的に不必要なものが削がれていき次元大介が出来上がるんだと思うんです。少し恥じらいもあって、人気の秘密はそこにあるのかな。
―― では、お互いが演じる次元についてはいかがでしょう。玉山次元、大塚次元のかっこよさとは?
玉山 大先輩を前におこがましいにも程があるんですけど、表現の形は違えど突き詰め方とか、次元大介との向き合い方とか、僕なんかよりすごく長い時間向き合われていらっしゃる。リスペクトしています。むしろクランクインする前にお会いしていろんな話を聞きたかったです。
―― 今日が初対面だったとは。大塚さんは?
大塚 かっこよくて嫉妬しました(笑)。僕はそんなに深い考察を重ねてこなかった気がして、さすが次元大介をよく知っているんだな、研究しているんだな、すごいなと思います。成果が映像に出ていて、削いで削いで削ぎ抜いた、いるだけでほとんど成立させてしまう、彼の地力を感じました。
帽子と銃、二大アイテムがなかったとしても 次元大介の在り方
―― 玉山さんにとっては、小栗旬さんがルパンを演じた2014年の映画「ルパン三世」以来、9年ぶりの再演です。オファーを受けたときの感想は?
玉山 もともとはもっと早いタイミングを想定していたんです。コロナ禍の期間も含めてプロデューサーが本当に大切にあたため続けてくれました。そのおかげで今回撮ることができたので、本当にプロデューサーにはすごく感謝しています。
トムス製作の「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」(2014年公開の次元が主役のOVA)の世界観がめちゃくちゃ好きなんです。ああいう感じの絵作りになったらと思いながらお受けしました。
―― 出来上がった作品をご覧になっての印象はいかがですか?
玉山 もちろんガンアクションも醍醐味(だいごみ)の1つではあるんですけれども、オトという女の子との人間ドラマも見ていただきたいポイントです。彼女と次元の距離が詰まるまでのプロセスは、映画の「レオン」のようでガンマンが命を懸けて女の子を守るストーリー。今っぽくはないのかもしれないけれど、そこに詰まっているいろんなドラマや次元の気持ちをご覧になっていただけたら。
―― 大塚さんはご覧になっていかがでしたか?
大塚 とにかくかっこいいなって。さっきから「かっこいい」ばかりでそろそろ口が酸っぱくなってきているんですけれども(笑)、本当に世界観や、そこにたたずむ次元大介の魅力を玉山鉄二という男の背中に見ました。かっこよかったです。
―― 役作りに関してはいかがでしょう? 生身で演じる玉山さんと、声を吹き込む大塚さんでどんな違いがあるんでしょうか。
大塚 基本的に次元大介はかっこよくなくちゃいけない。キメるときはちゃんと見得が切れるように。だけどルパンより前に出ちゃいけない。僕はそれを心に決めて収録へ臨んでいます。
玉山 僕は現場へ入る前にまず台本を読んで、そのシーンで最低限伝えなきゃいけない部分と、削ぎ落としても大丈夫な部分を頭に入れて、現場で監督とコミュニケーションを取りながら役を作っていきます。僕1人ではなくて、監督と一緒に作り上げたともいえる。橋本一監督は「いろいろ意見をください」と言ってくださる柔軟な方で、すごく感謝しています。次元と向き合うにあたってすごくやりやすい現場でした。
大塚 僕たちにはどう映るかという準備は必要なく、絵が出来上がっていくさまを想像しながらせりふだけ入れるんです。自分の肉体を、生身をさらしてやらなきゃいけない責任感はやっぱり大きいなと思いましたね。
―― もし大塚さんが実写で演じる場合、どういった次元になるでしょうか?
大塚 オールド次元大介ですね。その後の年を取った次元です。
―― 今の話をもう少し深掘りして、実写とアニメの違いとして“次元の目が隠れていない”という点は大きな違いだと感じました。玉山さんは目が見えた状態の次元を演じるにあたり、どう意識したのかお聞きしたいです。
玉山 見た目や外見では、何と言うか気だるさを意識していました。自分から何か行動を起こすというより、全部させられているようなイメージで動くようにして、壁にもたれかかったり、人のせりふを聞くときもだるそうだったりそういう積み重ねです。“やった感”を出すと次元っぽくないんですよね。
―― 大塚さんは以前に別のインタビューで「目が隠れていることが次元の色気につながるんじゃないか」と分析されていましたが、いかがでしょうか?
大塚 帽子をかぶっていなくても、ちゃんと次元大介だと思えるのがすてきですよね。帽子と銃は次元大介にとって欠かせないアイコン。この2つがないときに次元が次元でいられるのかと考えることは常にあるんですけど、今回の映画ではコンバット・マグナムを使えなくて、帽子も目を隠すわけでもなくただ頭髪のようにそこにある。それでも「すげえ次元大介だ」と思えたので、玉山鉄二ファンになりました。
玉山 今回はコンバット・マグナムの調子が悪いところから始まって、不調の銃の再生とリンクするようにドラマが進みます。アニメシリーズとは違った角度から次元の普段描かれていない一面が描かれているので、演じていてすごく楽しかったです。
―― 最後に作品を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
大塚 面白いですから、ぜひご覧ください。僕は玉山鉄二ファンになりました。
玉山 僕は先入観を持って作品を見てもらうのがあまり好きではないので、多くは語りません。皆さんがお持ちになられている次元大介のイメージ、思い入れみたいなものがあると思います。この作品を見てもらって、昔のことを思い出したり、見ていた当時の自分を思い返したり、そういうきっかけになればいいなと感じています。
『次元大介』
キャスト:玉山鉄二、真木よう子、真木ことか
さとうほなみ、笹野高史、本宮泰風、波岡一喜、野村祐人、馬場徹、田中要次
永瀬正敏、草笛光子
脚本:赤松義正
監督:橋本一
Copyright: Original comic books created by Monkey Punch
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