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オスカー俳優、発言が“反ユダヤ”と猛批判→事務所クビへ 2週間後謝罪も「後戻りできない」「圧力に屈するとはこういうこと」

「軽率」だという批判も。

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 オスカー俳優のスーザン・サランドンが現地時間の12月1日、10月7日から始まったイスラエルとハマスの紛争を巡り、“反ユダヤ主義”と糾弾された自身の発言を悔いる声明をInstagramへ投稿しました。


発言を謝罪したスーザン・サランドン(画像はスーザン・サランドンのInstagramから)

発端は紛争をめぐる集会での発言

 映画「ロッキー・ホラー・ショー」(1975年)や「テルマ&ルイーズ」(1991年)などで知られ、「デッドマン・ウォーキング」(1995年)でアカデミー主演女優賞に輝いたスーザン。俳優として不動の地位を得た一方、政治的発言や活動でも知られる存在でした。

 今回問題となったのは、11月17日にニューヨークで親パレスチナ派によって開かれた集会での発言。

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 スーザンは「今、ユダヤ人であることを恐れている人がたくさんいます」「この国でイスラム教徒であることがどのようなものなのかを味わっている人がたくさんいます」と語り、現在増加しているとされる反ユダヤ主義に恐怖を感じているユダヤ人が大勢いるが、それは米国に住むイスラム教徒が今まで味わってきた恐怖と同様のものであるといった趣旨の訴えを行いました。

自身の発言は「とんでもない間違いでした」

 当該スピーチを収めた動画が拡散されるや、彼女の発言は“反ユダヤ主義”であると非難が集中。大手エージェント「ユナイテッド・タレント・エージェンシー」は、スーザンとの契約を解除したと発表しました。


スーザンの謝罪声明(画像はスーザン・サランドンのInstagramから)

 騒動から約2週間が経過した1日、沈黙を守っていたスーザンはInstagramへテキスト画像を投稿し、「つい先日、 私はガザでの緊急な人道的危機を強調し、停戦を呼びかける多様な活動家たちとともに集会に参加しました。そこでスピーチをする予定はありませんでしたがステージに招かれ、手短に発言しました」と事の次第を説明。

 問題を引き起こした一連の発言については、「ヘイトクライムの増大を懸念しているということを伝えるつもりで、私は増加する反ユダヤ主義的ヘイトの標的となっているユダヤ系アメリカ人が、『頻繁に暴力にさらされるこの国で、イスラム教徒であることがどのようなものであるかを味わっている』と述べました」「この言葉は、最近までユダヤ人が迫害を経験していないかのようにほのめかすもので、とんでもない間違いでした」とし、発言が誤りであったとしました。

 続けて「私たちみんなが知るように、何世紀にもわたるヨーロッパでの抑圧と虐殺から、ペンシルベニア州ピッツバーグでの『生命の木』銃撃事件(※シナゴーク「生命の木」で反ユダヤ主義の男が銃を乱射し11人が死亡した2018年の事件)まで、ユダヤ人はこんにちまで続く差別と宗教的暴力をよく知っています」とユダヤ人は迫害について多くを知っている人々であると例を挙げて強調。

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 「私は発言によって現実を矮小化し、人々を傷つけたことを深く後悔しています」と自身の発言がもたらした結果について言及し、「あらゆる偏見との闘いに連帯を示すのが私の意図だったのに、そうできなかったことを申し訳なく思います」と自身の信念とは別の言動を取ってしまったことを悔いているとしました。

 そして最後に「私は、平和、真実、正義、全ての人への思いやりへの献身を続けていきます。特に意見の異なる人々との対話に、愛と意欲をもって臨めることを願っています」とこれからの自身の活動について、あらためて方向性を示して声明を結びました。

痛烈な批判の一方、一部発言を支持する声も

 スーザンの謝罪声明が発表されると、SNSでは「もう遅い。後戻りできないよ」「彼女を信じないし謝罪は受け入れない」「もし本当に自分の発言が“とんでもない間違い”だと思っていたのなら2週間前に謝罪していただろう。圧力に屈するとはこういうこと」など、批判からすぐに謝罪しなかった彼女を信用できないとする声が多数寄せられてます。

 また、「スーザン・サランドンが言っているのはこういうこと:私のキャリアを傷つけてしまって申し訳なかった。私のキャリアを台無しにしたことだけを申し訳なく思う」「彼女の会計士が、今ひれ伏して許しを請わなければこれからお金を失いますよと言ったんだね。その瞬間、彼女の真に正しい人というパフォーマンスは停止しなくてはいけなくなった。楽しい役柄だっただろう。しかし間違いなく、それは単なる役柄だったわけだ」などと、彼女は単に仕事を失うことを恐れ形だけの謝罪をしているに過ぎないと厳しく指摘する声も上がった他、これまで彼女が正しいと思うことに対して積極的に活動してきたことも表面的なものではないかと不信感をあらわにする反応も多く、ほとんどがこの謝罪声明に対して批判的なものとなりました。

謝罪のあと投稿されたテキスト画像にはスーザン支持の声も

 「圧力に屈した」「軽率」と批判が集中する一方で、謝罪の後にIntagramへ投稿された、米国の歴史家ハワード・ジンによる「悪い時期に希望を持つことは愚かなロマンチストなのではない」という言葉には、「あなたの言葉は憎しみの言葉だとは思わない。勇気をありがとう」「偏った圧力にもめげず、声なき人々のため勇敢に声をあげてくれてありがとう」「勇気をもって真実を語ってくれてありがとう。圧力や恐怖にさらされながらも、歴史はちゃんと見ているし、正しい側に立った人を人々は忘れない」など、スーザンを支持する声も多く寄せられています。

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