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退化したヒトはなぜまだ服を着ているのか 「猿の惑星」の気になる“不思議”を最新作監督にぶつけてみた 「猿の惑星/キングダム」来日インタビュー(2/2 ページ)

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ウェス・ボール監督

最新作をより楽しむには チェックしておきたいシリーズ作品

―― 今後へ向けてさまざまな要素を仕込んでいるというお話でしたけども、反対に現時点で「キングダム」を見るにあたって、もしくは見た後に歴代のシリーズで見ておくとより楽しめると思う作品は?

WB まずは前の三部作、シーザートリロジーです。それに1968年のオリジナル版。いまも全く色あせない名作です。古臭さがあったとしても、映画作品として非の打ちどころがありません。「キングダム」は時代設定的にこの2つのちょうど半ばとなるのでご覧いただくならお勧めです。この作品に込めた、たくさんのオマージュやイスターエッグを見つけてください。


三部作視聴者には見覚えのある構図

―― ちなみに監督個人のお気に入りは?

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WB 68年版と、シーザートリロジーの2作目「猿の惑星: 新世紀」ですね。

社会に疑問を投げかけながら育ってきたシリーズ

―― 「猿の惑星」シリーズは娯楽要素の強いフランチャイズでありながら、人種問題や、最近ではアニマルウェルフェアといった現実のトピックを描き出す社会派としての側面も持ちます。今回の作品も同様に考えさせるポイントが多々あるように感じましたが、監督ご自身はどんな層へ、どんなメッセージを伝えたいと想定していたかお聞きしたいです。

WB それこそ「猿の惑星」が今日に至るまで続いてきた理由ですね。誰もに訴えかける“何か”がある。SF好きには堪能できるアイデアを。大人や成熟したファンのお眼鏡にもかなうと同時に、子どもたちが純粋に楽しんで興奮できる要素もあるんです。

 若い世代はより広い視点から、ただの娯楽作品以上のものを求める傾向にあります。挑戦的なトピック――例えばあなたが挙げたような動物の権利や、人種といった現実に起きている問題です。すばらしいことだと思います。気候変動であれ戦争であれ、こんにち起きている問題は若い世代が背負っている課題でもありますから。

 この物語は特に、若い登場人物を中心に展開します。彼らがどう世界を変えていくのか、どうやって自分たちの未来を導いていくのか。若い世代のファンには共感してもらえるはずです。ノアは故郷の外を知って、長老たちに疑問を持つようになり、自分の手で世の中を変えていこうとする。人間のメイにしても同じことで、物語の序盤と終盤では違う考えを持つようになる。それが見どころです。

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現在から300年後という設定

 つまり……欲張りではあるけれども、全ての人に見てもらいたい作品ということですね(笑)。

―― 猿と人だけでなく、劇中に登場する他の動物との描写が興味深いと感じました。知性を得た猿たちは動物を“使う”側になっていて、主人公ノアたちは特に鳥と特別な関係を築いています。


鳥と生きるノアたち一族

WB 面白いポイントとしては、ノアたちイーグル族はワシをパートナーとして扱い、ケージに閉じ込めたりつないだりしていないことです。出入りは自由なので、そこは変わらないんじゃないかな。

―― 個人的にはラカというキャラクターが気に入っています。非常に気になる描かれ方をしていましたが……。


みんなきっと好きになる、ラカというキャラ

WB でしょうとも! 守護霊みたいな存在で、耳元でみんなに「もっと頑張れ、うまくやれるぞ」とささやいてくれるようなキャラですよ。この先については(日本語で)ノーネタバレ! 楽しみにしていてください。

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『猿の惑星/キングダム』(公開中)

監督:ウェス・ボール

出演:オーウェン・ティーグ、フレイヤ・アーラン、ケヴィン・デュランド

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

2024年5月10日(金)全国ロードショー!

ストーリー

人類は野生化し、進化した猿が支配する 300 年後の世界。巨大な帝国を築く独裁者プロキシマス・シーザーによって村と家族を奪われた若き猿ノアは、人間の女性ノヴァと共にプロキシマスの支配に立ち向かうことを決意する。だがノヴァは、猿たちの知らない“秘密”を握っていた...。種を超えたその団結は、狂気の支配を止め、再び共存可能な世界を作ることができるのか。それとも、圧倒的支配に飲み込まれてしまうのか。この世界で生き残るのは一体誰か―。<猿&人間>VS<猿>という新たな衝突の先に待ち受け“衝撃のラスト”とは果たして―。

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