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パンイベント中止で被害200万円以上も 出店者「本当に悔しい」「破棄せざるをえない」と強い憤り(1/3 ページ)

中止の告知もわずか数日で削除。

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 日本各地のパンやスイーツが販売されるパンをテーマにしたイベント「パンタスティック!!」が23日、主催者の事業停止により開催中にも関わらず突如中止となった。この週末、商品のパンをすでに納入していた各地の出店者は回収などその対応に追われた。

 イベントを主催する「ローカルズオンリー」はInstagramで「事業等に関する事業継続の途を模索しておりましたところ、今後の事業継続が困難な見通し」となったと一方的に報告。「速やかに破産手続開始申立ての手続をとる予定とし、一切の事業を停止することといたしました」と投稿したのち更新が途絶えた。

 同社は2007年に広島県呉市で創業。セレクトショップなどのほかに、飲食事業なども展開。「パンタスティック!!」はパンをテーマに2015年に広島で初開催したのち、全国各地で行われるまで拡大した。5月17日から広島PARCOで開催中だったイベントは期間中にも関わらず突如中止に、23日から調布PARCOで予定していたイベントも開催初日に中止となった。

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被害額は売上だけで200万円を超える

 パンを納品していた全国の出店店舗は中止そのものが寝耳に水だった。3年前から同イベントに出店していた「株式会社 結び」の田中裕士代表取締役は、会場となったPARCOのSNSの告知を見て初めて中止を知った。

 「1カ月以上前から怪しんではいました。4月の静岡パルコや1月のオリナス錦糸町でのイベントの売上が振り込まれていなくて。連絡しても『経理に確認します』とか『代表に任せている』とか、とにかく埒があかない。長年の付き合いもあるし信頼もしていたけど、それで振込がなければ6月以降はいったん辞めさせていただきますと伝えたところでした。中止を発表する1日前にもパルコ側にも伝えると連絡してました。そしていきなりの中止です」(田中代表取締役)

 ローカルズオンリーの担当者に連絡しても電話は出ず、担当者のLINEも既読すらつかないという。振り込まれていない前回分の売上含めて、被害額は200万円を超えるという。「(売上が)返ってこないんじゃないかと……本当に悔しい」

 広島PARCOの分の商品は当日引き取り、SNSや中止を知って駆け付けたファンのおかげでなんとか納品分は販売することができたが、調布PARCO分が届いたのは26日になってからだった。賞味期限もあり、破棄せざるをえなかった商品もあった。「自分のところはお客さんがわざわざ買いに来てくれて、なんとかなったところはある。皆さんに支えてもらいました。最悪な事件だけど、人のやさしさに触れられたのは本当にありがたかった。でも、全国の出店者の中には処分せざるをえなかったところが山ほどある」と、被害がどれほど拡大するのかと想像できないと苦しい胸の内を明かしてくれた。

インフルエンサーとして関わった

 イベントにインフルエンサーとして関わったプリン王子こと池畑孝資さんも心を痛めた1人だ。イベントの告知はもちろん、店舗を推薦し催事出店をもちかけたり、コラボメニューの販売をしたりとイベントを盛り上げようと奔走したが、中止については23日当日になって初めて知った。主催者側からの連絡は一切なく対応に追われることになる。

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 「主催者側とは日頃から直接的なやりとりはなく、インフルエンサーを取りまとめる代表と主催者で大まかな話し合いを行い、イベントが近くなった際に今回の推し店舗の商品のキャッチコピーなどを提出していました。(主催者とは)現地に赴いた時に挨拶をさせていただく程度でした」と池畑さん。同じく前回分の入金はなかったという。

 「信頼して自慢の商品を委ねてくださった出店店舗さん達に申し訳ない思いでいっぱいです」と、池畑さんは中止が告知されてから情報収集とともに納品された商品の委託販売や店舗の対応などをSNSで伝える活動をし続けた。「出店店舗さん達の負担を少しでも軽減できないかとSNSを通じて正直な思いを発信いたしました。ありがたいことに多くの方々にシェアをいただき、救いたいと言ってくださる企業様とコンタクトをとりつつ、出店店舗さんの状況を確認したりとしばらくSNSに貼りつき、この事態をより多くの方に知ってもらい助けてもらいたいと伝え続けました」。

 池畑さんは「イベント開催直前のタイミングではない時に伝えてもらうことはできなかったのかと思っています。なぜ催事会場や出店店舗、我々とも事前に協議ができなかったのか不思議でしょうがないです。イベントのために食材を用意したスタッフの人件費はもちろん、丹精こめて作られた自慢のパンやスイーツが誰の手に渡ることもなく腐るのを待つだけになるかもしれない。強い憤りを感じます」と話している。

 「過去のイベントの売り上げに関しても、飲食店の200万円がどれだけの額なのか……。出店店舗さん達は大企業ばかりでなく小規模な個人店もあります。経営が成り立たず店を畳まなければならなくなるようなお店も出てくるかもしれません。そんな状況下で何の説明もなく事業撤退。不義理だと思います」「本当に出店店舗さん達が不憫でなりません。一インフルエンサーとしてではなく一人間として可能な限り被害を軽減できる様に動いていこうと思います」(池畑孝資さん)


 ローカルズオンリーは26日時点で出店店舗らに一切連絡をしていない。「こうなる前に説明するのがスジだと思う。(主催者は)今どういう思いで(中止の混乱を)見ているのか」(田中代表取締役)。前述した23日までに投稿されたInstagramの「パンタスティック!!開催中止のお知らせ」は26日までに削除されている。

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