黒留袖をざっくり切って大胆リメイクしたら…… 完成した“普段使いのオシャレアイテム”に「感動しました」「素敵!」(1/3 ページ)
活躍の場が広がりそうです。
お気に入りの黒留袖を活用するため、縫い目を解かないでリメイクする様子が、YouTubeで紹介されています。動画は記事執筆時点で5万8000回視聴を突破、「素晴らしい仕上がりです」「まねしてみたいです」といった声が寄せられています。
投稿したのはYouTubeチャンネル「一閑張り利庵rian」のrianさん。普段は一閑張り(いっかんばり/日本の伝統工芸品である紙漆細工)という技法の講師をしており、以前は浴衣の大胆リメイクを紹介してくれました(関連記事)。
今回チャレンジするのは黒留袖のリメイク。尾長鳥の柄が気に入ってリサイクル店で購入したものですが、知人から「留袖としてあかん」と言われてしまったので、コートに仕立ててかっこよく着ようと考えています。
裁断します
裁断の仕方は、手書きの図で解説しています。身頃の上から40センチのラインと下から75センチのラインをつなぐため、衿を途中までほどき、比翼(ひよく/裏の白い布)を外して裁断します。
袖は肩周りが24センチ、手首周りが17センチになるように斜めに切り、余った布でカフス用の布(34センチ×20センチ)を2枚用意し、接着芯を貼っておきます。
袖を縫います
袖は2枚重ねになっているので表布をめくり、裏布を1センチの縫い代で縫い合わせます(この留袖は袖にも比翼のような布が付いていたので外しています)。
次に表布を上向きにひっくり返して1センチの縫い代で縫えるところまで縫い、ひっくり返していた部分を戻します。
袖の縫い残した部分を手縫いで縫い、身八つ口(脇のあき部分)もすくい縫いで縫っておきます(身八つ口は生地をひっくり返してミシンをかけてもいいそうです)。
カフスを付けます
接着芯を付けたカフス用の布を中表に折って袖口の幅(動画の場合は14.5センチ)と同じになるように縫い、外表にして縦半分に折ります。輪になっていない部分にジグザクミシンをかけておきます。
本体を裏返し、輪の部分が奥になるように袖の中に入れ、1センチの縫い代で縫います(袖の縫い目とカフスの縫い目は合わせたほうがきれいなのですが、ミシンのパワーが心配な場合は1センチほどずらして縫うといいそうです)。
縫い終わったら身頃側に縫い代を倒し、アイロンをかけて表に返します。
上下を合わせます
本体の上下を縫い合わせます。縦方向の縫い目がほどけかけている場合は、先に縫って補強します。後の作業のため、表地と裏地をつないでいる糸を解いておきます。
上下の表地を中表に合わせて背中心や脇をクリップでとめ、ミシンで縫います。縫い代は下に倒すようにしてアイロンをかけます。
裏地を縫います。表地を包み込むように裏地をひっくり返し、返し口を20センチほど残して中表で縫い合わせます。縫い終わったら返し口から表に返し、返し口を手縫いで閉じます。
衿の始末をします
衿の裏についていた白い布と掛け衿(黒い布)を外します(本体の衿が外れそうになってしまったため、途中でしつけやまち針で対応しています)。
衿の長さが足りなかったため、折りたたまれている部分をほどいて縫い直し、丈を長くします。表の柄に衿がかかってしまうため、位置を調節して柄を生かす位置に付けて行きます。
衿の裏に当てる布が必要なのですが、残っている布では足りないため、自宅に残っていた大島の羽織の衿を外して使います(幅16.5センチ×長さ240~260センチ、1センチの所で折ってアイロンの折り目をつけておく)。
本体の衿に裏用の布を配置し、中表になるようにセットして、ズレないようにしつけをしてから1センチの縫い代でミシンで縫い、裾の布端を包み込むようにして表に返します。
衿を仕上げます
衿の裏からアイロンをかけ、布端を整えて手縫いでコの字にかがります。本体の衿と裏布を、すくいとじで縫ったら完成です。
出来上がったコートは、尾長鳥の柄が印象的な仕上がり。ちょっとしたお出掛けにも、街歩きにも重宝しそうです。「衿の裏布は黒にすれば良かった」などの反省点もあるようですが、その場その場で方法を考えて手を動かせるのはすごいことだと思います。留袖は袷(あわせ)なのですごく暖かいとのこと。前をブローチで留めるアレンジもすてきです。
コメント欄には「留袖がこんな素晴らしいコートに変身」「丈もお似合いな長さですね」「色留袖で作っても良さそうですね」といった声が寄せられています。
rianさんはInstagram(@rian_ikkanbari)でも情報を発信中。一閑張のバッグやワークショップの情報は、Webサイト「一閑張り利庵rian」から確認できます。
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